表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/402

98話:竜魔人プッタネスカ その1

「グリム。俺が前で戦うから後方でバックアップを頼んだ」

「うむ承知したぞ」

「ちなみにどんな事ができるんだ?」


 そういえば今までグリムがどんな戦い方をするのか見ていなかった。


「わしは学者じゃ。故に知を活かした戦略でお主をサポートしてやるつもりでおる」

「もしかして魔法とかできたりして」

「マホーウとはなんじゃ?」

「あっ、やっぱないかー」


 ファンタジーの世界だしあったりするかなって期待してたんだけど。ないかー。


「ふむお主の頭の中で連想しておる事は分らん。じゃが意図は理解した。ようはこうじゃろ?」

「えっ」


 おもむろにグリムが片手を目の前のプッタネスカに向けてかざし。


「みるのじゃ。わしの力を。竜技『コメットブラスト』じゃ」


――ヒュゥウウウウウウ――ズドドドドドドドドッ!!!!


 無数の雨粒の火球をプッタネスカに降り注がせた。火球は着弾すると共に小爆発を重ね重ねで引き起こし、盛大な爆炎と爆風となって、俺達の目前まで吹き荒れた。

 爆風が晴れると、プッタネスカはその場で跪き喘ぎ苦しんでダウンしていた。


「まじか……」


 もう俺の出番無くね?


「そうじゃぞ。まじじゃぞ。ちなみにモンスターテイマーの力でも再現は可能じゃ」

「本当かっ!?」

「ああ、じゃが。いまは出来ぬぞ。これは今のお主には真似できぬ技じゃからの」

「そうか……」

「じゃが落ち込むことはない。お主にはできる限りのサポートをしてやる。ほら手を出せ」

「お、おう」


 俺はグリム言われたとおりに右手を差し出した。するとグリムが同じように右手を出してきて握り返してきた。どうやら俺にもまだ出番はあったようだ。


「よいか。お主はモンスターテイマーじゃ。お主が最も信頼するモンスターを思い起こせ」

「……俺の信頼するモンスターか」

「目を閉じるのじゃ。暗闇の中で思い起こしたそやつを。心の中で呼びかけるのじゃ。我に力をとな」

「今の俺の中で一番信頼しているやつ……」


 俺はそのまま目を閉じる。


――今日まで色々あったな……。最初は色々とビックリしたが。いま思い直すとこの世界に転生して良かったかも。


 ありきたりな毎日。ありきたりで退屈な人生。何をしようと誰にも見向きもされず静かに部屋に引きこもって好きな事を永遠に続けていく日々。

 事故にあってから異世界に来ていきなり生きるために労働せざるを得なくて、その時の自分が今はこうしてハンターであり、モンスターを大切に思う人間に変わったんだ。

 きれい事かもしれないけれど。俺にとって今の生き方は変化のない昔よりいい気がするんだ。


――だから俺は、今目の前で悪に染まった男を止めてみせる……! 全てのモンスターの為に。愛する奴らの為に……! 俺の異世界生活の為に……!! 


「だから力を貸してくれみんな! お前達のパワーをここに! 来てくれ!」


 次の瞬間グリムが簡単の表情を浮かべて。


「おぉ……お主の願いが聞き届いたようじゃぞ……! くるぞ。お主がテイムしたモンスター達が……!! 召喚の儀が成功したようじゃ!」

「うぉっ、足下からなんか魔方陣がでてきたっ!?」


 紫の魔方陣が突然に現れて光りだし。そこから魔方陣は右へと移動したの地に更なる発光を起こしだして。そして、


「うあっ!? なんだなんだっ!?」

「サンデー……!」

「ご主人!? なにここっ!? さっき私。ホワイエットと一緒にたき火囲んでバーベキューしてたんだけどなんでぇっ!?」

「おい、俺が命がけで仕事している間に何楽しそうなことしてんだよ」


 おい、俺の熱い振り返りをぶっ壊すような事してくんな。台無しじゃねぇか。


「うむ、喧嘩するほど仲の良い間柄じゃから召喚ができたんじゃ」

「誰だお前はっ!? なんかアルシェと似た臭いがするぞっ!?」

「うん説明すると長いから後でな。とりあえず。手伝え」

「手伝えってご主人……何をするの……?」

「あれを倒すんだいまから」

「うあっ、なんだあのへんてこりんな奴はっ!? ばっ、化け物かっ!?」

「化け物ってよくそんな言葉知ってるな」

「余計な茶々をいれないのじゃお主。とりあえず。お主が召喚できるモンスターはこやつだけのようじゃの。全力で取りかかるんじゃ。もたもたしてはおられん」

『ガァアアアアアアアアアア!!!!』

「ご主人! よく分からないけど。なんかあいつ。ご主人を殺すつもりみたいだ」

「ああ、そうだ。俺達を食い殺そうと狙っているんだ」

「じゃあ、なんで私がここにいるのよっ!? さっきまで楽しく食事してたのにぃ!! なんで逆に捕食されなきゃいけないのよ!!」

「わっ、わるかった! 後でご馳走してやるから!」

「本当……? だったらいいけど」


 ちょっと照れるサンデーだった。ちょろいかも。


「お主。あのモノの名前はなんと呼ぼうかの」

「竜魔人プッタネスカってどうです?」


少し予定を早めて更新しました。今日の更新でブッマークが減ったので少し驚きと申し訳なさを感じております。面白い作品じゃなくてごめんね……。とりあえず元気だして自分の好きを詰め込んだ作品づくりを続けていこうと思います。


次回の更新予定日は9月8日です。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ