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394話:新区画潜入

--いいか。この区画からは俺たちのような兵士が入っていい場所じゃなくなる。


 フラジャイル計画を進めるあたり、ノックスマンはセキュリティーの強化の一環として、区画ごとに配属される兵士の服装規定に変更をかけたという。


「つまり。服装の違う兵士がその場所に立ち入るとどうなるんだ?」

「射殺される」

「……仲間だろ?」


 リックの顔はマジの顔だった。


「仲間なんて関係なく命令で人を殺せる人間がこの先にはいるのかよ」

「といいつつ。俺たちは足を運んでこの連絡回廊を歩いているだろ?」

「まぁ……それはそうだな……」

「ならばやる事はひとつだけしかない」


--やる事っていうとな……。


 手荒な真似しか思い付かなかった。


「兵士の服を剥ぎ取る?」

「いや、それは出来ない。奴らの衣服には特別なセキュリティプロトコルが仕掛けられた記憶媒体繊維が編み込まれているんだ」

「ナノマシン? そんな服があるなんて信じられない」


 機械--つまり金属の繊維を編み込んだ服なんて聞いた事がないからだ。あったとしても、それはあくまで何かしらの工作作業に用いられる--身体を傷つけないための防具として限定的に使われているはずだ。


 それを高度な技術で、まるで一種に考えられるコンピュータのような動きがとれる衣服なんて本当にあるものなのか。


「あるんだよ。ここから向かう先にいる兵士たちは全員の体に生体登録チップが埋め込まれた人間で構成されている。その生体チップとさっき話していた服を着用する事で。その兵士だけが使用できる戦闘服として役目を果たすんだ」

「つまり……俺の考えた追い剥ぎ作戦はできないと。もし、仮にその服を奪って着用したらどうなるんだ?」


 気になるもので仕方がなく、把握しておきたい気持ちもあったため、リックに問いかけると。


「本部に違う人間が服を来ていると情報が入ってアラートになるな。こうなったらハイテクの限りを尽くした追走劇が始まるぞ」

「ハイテク兵士を相手に盛大な鬼ごっこは勘弁だな」

「だからそれを回避する方法がひとつだけ存在はしている」


 その方法とはいったいどのような妙案なのか。


「郷に入りては郷に従えだ兄弟」

「なんだそりゃ」


 突然のことわざに頭で?を描く。


「人の住んでいる環境に溶け込めばいいんだよ」

「もっと明確に頼む」

「要するに俺たちも体に生体登録チップを埋め込んで服を着用して偽装すればいいんだよ」


ーーなるほど、その手があるか。

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