381話:ハウンドウルフ作戦 3
――突入まであと30秒。みんな銃撃戦の準備を。
『『「了解」』』
全身に伝わるひりついた空気の中で、俺は夜の仕事を始めようとしていた。
目的はネメシスにおける掃討作戦こと――『ハウンドウルフ作戦』を実行するためだ。
『ロッソ。あんたの先陣で後続が動くから』
『判ってるよ姉御。とりあえずショットガンで暴れればいいんだろ?』
『んもうロッソちゃんったら脳筋すぎぃ。じゃああたしも参加させてもらおっかな』
相変わらず先輩達は軽いノリで人殺しの話をするので、無線越しに聞かされている自分にとっては気が少し滅入る。
「弾倉の球数は充分。予備のポーチの弾倉もおっけーで……」
簡易的なメンテナンス作業を終えて最終的な突入の準備を終える。
――相変わらず俺は人に向かって拳銃でドンパチするのは好きじゃ無いし。ライフルで小競り合いをしているほうがお似合いかな。
表の仕事をする都合上。あしのつく武具は避けている。
「明日はルドガーの武器の受け取りだろ。それから彼女に武器の取り扱いの訓練をうけさせて……」
――突入開始。各自。妨害する敵を全て排除せよ。
……考え事をしてると、指揮者としてロールするレフィアさんから合図が送られてきた。
俺は単独の任務なので。先輩達のドンパチに乗じて目的を達成すればいい。
「さて。行きますか」
全身に全体の背景に溶け込むことの出来る迷彩服で敷地内の潜入捜索を始めた。
次回の更新は3月3日です。明日の更新からいつも通り、毎日夜の0時頃を目標に更新させて頂きます。




