303話:世界を救った光の勇者の物語。
世界は既に暗黒に覆い尽くされて死に絶えていた。
暗黒は闇の軍勢を従え。王はまず空を紫紺に染めあげて支配を実効した。王は次に海を血で染めあげて支配を実効した。そして王は最後の支配をと思い至り。大地を黒に染めあげようとした。
世界は王の暴虐に対し、数多の勇のある者達を奮い立たせてた。勇ある者達は王に、そして暗黒の軍勢に仲間を従えて立ちはだかる。
だが、暗黒の軍勢を前にしてまず、大地の軍将に2人の勇ある者達が仲間と共に腐れ病の呪いで敗れた。
その次に炎の軍将に挑んだ勇のある者達とその仲間達が業火と共に敗れた。
その次に深海の軍将に挑んだ勇のある者達とその仲間達は皆底に引きずり込まれて海の藻屑となり果てて敗れた。
最後の軍将。轟風とその軍勢に対し、竜の勢力を従えて勇のある者達は立ちはだかった。
世界は彼ら彼女達の命を賭けた戦いに涙した。だがその絶え間ない雨という涙をしても勇ある者達の身体と心は癒えること無く生涯に幕を閉じていくばかりだった。
世界は絶望した。王の猛威をもう止める術はないのかと諦めていた。
だが、絶望を前にしても光はそこに、確かに輝いていたのだった。
俺はそこでムラ様から借りていた本を閉じた。物語はそこで終わりだからだ。ムラ様は言った。
『世界に散らばる書物を全て読み終えたその時。この世界の歩んできた歴史と心意を知る事ができる』
「世界の歴史と心意か……」
そう聞かされて冒険に出かけたいなと思った。とはいえ、今のところ俺はベッドの上でゴロゴロと惰眠を貪っている。みんなの帰りを待つまでの間の退屈凌ぎには事足りなかったし良いだろう。とはいえ。
「はぁ……早く帰ってきてくれみんなぁ……」
孤独との戦いはまだまだ続きそうだ。
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