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293話:雪山に生息する豪傑雪熊が現れる 

 ルドガーが武器を選んでからの翌日からは状況が一変していき、彼女は両手両足を巧みに使って4つあるM17を器用に撃つ練習を続けていた。射撃場での練習の時間は早朝から始まり(俺も彼女に無理矢理起こされて引きずり出される)。そしてお昼になっても彼女の練習は終わる事無く続き。


――パパパパパパン!!!!


「まるでハンドガンがフルオートで射撃を繰り返しているみたいだな」

「フン! ハッ、ヤァ! ガウ!」


 二丁拳銃の使い手ならぬ四丁拳銃の使い手になるんだろう。だが、足で撃つというのは難しいらしく。そもそもの足の形からして無理な事なのだが。それでもどうにかして足でもやろうと苦労しながら試行錯誤を繰り返しているようだ。


「なにかいい方法はないだろうか……」


 俺もルドガーがやりたい事をやらせたいと思う気持ちはあった。足でも銃を撃てるというのは非常に理に適ったやり方だと思う。まだこの目で見たことが無い戦い方だ。なら、それを実現して見せるのも一興というモノだろう。既存のやり方にはない新しい狩のやり方を考案して実践してみる。彼女にはその第一歩を踏み出してもらえるといい。


「拳銃ってどうしてたっけな……」


 スナイパーライフル使いの俺だと普段は両手にもっているか肩に掛けてぶら下げて見に付けている。他の銃でも同じだ。うーん……。


「ガウガウ」

「ん、もういいのか?」

「すいた……」

「腹へったのか?」

「ガウ」


 コクッと頷くあたり合っているみたいだ。なら仕方が無い。


「家に帰るぞ」

「ガウ」


 とりあえずルドガーを連れてみんなのいる自宅に帰ろう。


「ただいま」

「ただいま」


 家ののれんを掻き分けて中に入る。


「お帰りなさいカリト君。丁度お昼ご飯の支度をしてたのよ。席に座ってまっててね」


 エプロン姿のリリィがニコッと顔を出してそういってきたのでお言葉に甘えることにした。


「今日のお昼はこれ」

「お、ミートパイか」

「うん。近所のおばさまからお肉のお裾分けを頂いたの。それでみんなで頑張って作ったのよ」

「ならそのご近所の方にお礼でなにか狩猟で得た食材を渡そうか」

「ここの辺りはお肉の料理文化が盛んだから。新鮮な野生のジビエとかどう?」

「ああ、それもいいな」


 ならさっそく狩に行こうか。最近の狩猟予報をみてると。雪鹿の群が勢力を広めていて。個体調整の必要があるという報告があるわけだし。集会所で素材クエストを受けてもいいだろう。草食獣のモンスターが増えすぎると招かざるモンスターがやってくる恐れがあるからだ。特に人間が生活圏にしているエリアに関しては死活問題にもなる。


「今日の予報を見に行けてないからなんとも言えないが。環境不安定じゃないとありがたい」

「ん?」

「ルドガーを連れて研修させたいんだ」

「ああ、なるほどね。ルドガーちゃんの教育のために」

「うん。彼女にもお供として狩猟を手伝って貰いたいからな」


 人員が増えるだけでもとてもありがたい。負担は大きいけれど。それよりもプラスの恩恵が結構あるからだ。


「さて。ミートパイごちそうさんな」

「うん。ねぇ、もし今後もこれ作って欲しかったら前もっていってね」

「ああ。そう焦らなくてもいい。また余裕のあるときにでいいからな」

「うん。この子の為にもね」

「ガウ?」


 まあ、それはそれとしておこう。軽く咳払いをして皿を流し台に持っていって洗い物を済ませ。


「じゃあ集会所にいってくるよ」

「うん。いってらっしゃいあなた」


 リリィが頬にキスをしてきた。幸せ者だな俺って。


「とまあ。こんな感じでさっきまでいたんですよね」

「ほっほっほっ。熱いのぉ」

「それでムラ様。俺を呼び止めたのは何かあるからですよね?」

「うむ。実はの。近辺にグレートスノウベアーが出没したようでの。こやつを見つけて狩猟して欲しいのじゃ」


 それは本でしか見たことの無い、自分にとって初めて戦うモンスターとの出会いの瞬間だった。

次回の更新予定日は7月23日です。よろしくお願いします。


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