282話:探索クエスト『雪山の坑道にできた空洞を調査せよ』その2
「ここだよな。ガッツさんの言っていた坑道っての」
「絵で見せて貰ったのと一緒だな。よし、さっそく入っちまうぞ」
元気よくサンデーが洞窟の中へと入っていた。出遅れた俺は慌てて彼女の後ろにたいまつを持ってついて行く。
「ここでとれる鉱石ってのはなんだろうな」
「さあな。私にはどれも石ころにしか見えないからなー。人間の考える物の価値ってよく分からないや」
「今身に付けているそれもその物の価値ってやつで出来た代物だ。大事にな」
「せやねー」
と雑談を交しながら奥へと進んでいくと。分かれ道に差し掛かり。
「どっちだ」
「どっちだろうね」
二手に分かれて進むのは良くないきがした。人手がまず足りてない。
「そうだなー。こういうのってまず左から行きたくなるっての人間の本能ってやつだからそっちに行くことにしよう」
といってサンデーの前に出て左の分かれ道に向かって歩いて行くが。
「あ、多分こっちだよご主人」
「ぐぇっ!?」
サビに首根っこを掴まれて右の分かれ道に無理矢理に連れ込まれてしまった。
――5分経過。
「…………行き止まりじゃないかよバカヤロウ」
「えぇ……あってると思ったから進んだのに……」
目の前にあるのは氷で塞がれた行き止まりの壁だった。ぶ厚くできた壁はコンコンとノックをすると反響して帰ってくる音がする。
「仕方が無い。戻ろうぜ……」
と言って身を翻して来た道を戻ろうと歩いたら、後ろから、
――ズドン!!!! ズドン!!!! ズドン!!!!
「やったああああああ!!!! ご主人。空洞が見つかったぜ!!!!」
「…………えぇ????」
大きな発砲音と共に驚いて後ろを振り向いたらなんと。サンデーがはしゃぎながら指を、その空洞の先へと向けており、俺は開いた口が塞がらない思いをした。
「先にいくぜご主人。いやっほぅ!」
「あ、まて置いていくなよぉ!!!!」
ツルツルとする床を踏みしめ、暗闇の中へと消えて行くサンデーが心配になって後を追いかけた。
「……真っ暗で足下みえねから気をつけろよ」
「おう、いいぜ。ま、私は夜目が利くからある程度はみえるんだけどな」
「どうなかんじだ……?」
「なんか迷路みたいな通路が沢山あるね」
「迷路みたいな通路がある空洞か……これは下手に行かない方が良いかもしれない……」
「なあに、ここで家に帰るって覚えておけばどうってことはないって。なんだから面白そうな場所だから遊んで帰ろうぜご主人!」
好奇心旺盛なサンデーに手をつながれて引っぱられながら迷路を歩いて行く。たいまつの明りで照らされていく通路の壁はどれも氷で出来ており、しかもそれがレンガブロック上に積み立てられているため、なにかの文明的なモノを感じさせられる造りをしているなと感じた。
「なあご主人。この見たことのない迷路って。ボルカノにもあったよな。シンブンで呼んだ事があるぞー。なんでも大金持ちになれるお宝が眠っていたのを発見したとかって」
「なんだその。つまりこの雪山にも似たようなモノがあるんじゃないかって思っているのか?」
「うん」
「なるほど。お前がはしゃぐのも分かる気がする」
「だって、そのお宝で家が綺麗にできるじゃないかなって」
「……そうだといいな」
コレばかりは彼女の思いに対して賛同するしかないなって思ってしまった。
「そうすればリリィが喜ぶとおもうぞ」
「リリィな。てか昨日の夜から今朝まで見てないんだけれど知らないか?」
「あっ、そういえばそうだったな。どこにいるんだあいつ?」
どこで何をしているんだろう???? まあ、それはそれとして。
「どうする。このままいろいろと歩いて探索するか?」
「しよしよう!」
ということで先まで進む事にした。
氷の迷路で探索を始める事になった2人は。
次回の更新予定日は7月8日です。よろしくお願いします。
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