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263話:魔王アルテミス その3

 神獣シャーリーが合体と称した行為は今思うとこれはアリなんだなと思えた。なんと不思議な事に、俺の頭とシャーリーの思考回路がリンクしており、今まで苦労しつづけていた戦闘も今となれば、相手が互角、いやそれ以上だと!? と驚かせるにまで至っており、飛躍的に戦闘能力が向上しているのだ。


 どういう原理というよりかは、この合体で得られている恩恵は凄く、シャーリーのありとあらゆる神獣の耐性能力や、攻撃力や防御力、魔術の能力や行使に至るまでの全部の力が乗算で使えており、神属性の恩恵と俺はそう呼んでいる程に神がかったチート能力だった。


「うごごご……ここまでの力。二体の幻獣王を取り込んでこのポテンシャルまでパワーアップするとはお見逸れいったものだ。だが、ボクはここでやられるワケにはいかない……!!!!」


 とはいえアルテミスの攻撃も大分見切っている。相手してても時間の無駄だな。大層な技の割にはこっちの方が威力が倍増しなので全然受け止めきれずにいるし。余裕過ぎるぜ。


「さて、これでワンツーフィニッシュとしてサイクロンとミニョルを取り返すよ。鑑識眼を使ってみたんだけれど。あいつの未曾有の生命力は月の幻獣から供給されているみたいだ。半永久的に不死身の身体を持つ彼女の前では僕たちの攻撃は無力だったけれど。ボクの神属性の力で徐々にその牙城は無力化されつつあるね。幻獣王の生命力を糧に奴は彼女に命を分け与えていたみたいだ」

「普通にそれむごいぞ……?」

「うん、だから闇の属性を持つ勢力は恐ろしいんだ。だから戦いに発展したんだ」

「その話しはまた今度にしようぜ。ともかく常時ハイリジェネみたいな底なしの生命力をどうにかすれば良いんだ。削りに削りまくって残りの幻獣王達を救いだそう」


 とシャーリーに話しをしていると。アルテミスが動き出した。


「はぁ……はぁ……月幻魔術発動。『ムーンガ』!!!!」

「むーんが????」

「カリト。相手のデバフ攻撃だ。身を引き締めて戦うんだよ。反転魔術による属性変更魔術だよ。対処はボクに任せるんだ!」


 その直後にアルテミスの身体が七色に光って元の姿に戻った。属性変更というなら、おそらく俺の知っているゲームみたいにバリアチェンジができるモンスターみたいな戦い方を要求されるはず。


「カリト。最初は炎幻魔術でいっきに火力をたたき込もう。いまは召喚幻獣魔術が使えない。君ならどうする?」

「それはもちろん炎幻魔術で最火力を出せる奴がよくないか?」

「ならフレアが最適だね。発動してから10分は継続して相手を炎の爆炎に巻き込んだまま纏わり付かせてダメージを与え続けられるからオススメだ」

「よしいくぞ『フレア』!!!!」


 俺がフレアの魔術を発動させると、シャーリーが思考回路のリンクを更に加速させて呪文の発動の負荷を軽減する事をしてきてくれた。


「くそ、タイフガの呪文でも剥がれないだとっ!?!? く、くそ!!!!」


 そして最終的にフレアの大爆発に巻き込まれ、アルテミスは背中の羽を失い、さらに残っていた片腕を失うことになって、


「カリト、クリティカルダメージに成功したみたいだ。あれをみるんだ」

「言われなくても理解した。あれがサイクロンとミニョルの魂だな」


 サイクロンごめんよ。俺が不甲斐ないあまりにそんな姿にさせてしまって。あとは俺とシャーリーに任せろ。


「よし、これで4つの属性をもつ召喚幻獣マテリアルが揃ったぞ。あとはこれでシャーリーがいうオーディンを呼ぶんだな!!!!」

「『そ……それだけはさせぬ。聖なる剣神幻獣王を降臨させるな!!!!』」


 アルテミスの身体がさらなる異形の姿に変わろうとしていた。ぐにゃりとして丸い球体となり、そこからタマゴに形状を変えた後にヒビがはいり、アルテミスが次の段階へと進化を遂げた姿で現れた。その姿はドラゴンの翼が生えた大蛇を彷彿させる魔物になっていた。


「『よもや我の真の姿を見せることになるとは思いもしなかった。まったくもっての想定外だ。人間よ。名は何と申すのだ?』」

「サトナカカリト」

「『その名。しかと覚えたぞ。我が勝利した暁には墓標に名を刻んでやる。愚かな人間の象徴として末代まで語られるだろう』」

「ふん。そんな事だろうと思った」


 適当にあしらっただけだけどな。そんな事されても嬉しくないな。


「月幻魔術『ムーングラビティ』発動。これで貴様の重力の法則は乱れた」

「神魔術リフレクソロレジスト」

「『えっ……?』」

「ナイスシャリオス! 危うく無重力体験を無理矢理させられるところだったわー」

「『シャリ……オス……だと? まさかそんなバカなっ!?!?』」

「そんなバナナな話しなんだよなー。というわけでお遊びはお終いにしようぜ……?」

「『よせ、やめろ!?!? この人間がどうなってもよいのかぁっ!?!?』」

「あぁ、もう人間じゃないんだし関係ない。というわけでいくぞ月の幻獣さんよ。シャーリーたのんだ」


 月の幻獣の慌てふためきと、妨害攻撃をよそにシャーリーの展開したバリアによってそれら全てが一気に遮断される。その中で俺の頭の中でシャーリーはオーディンを呼寄せるスペルを組み立てていき、最後に『聖剣神獣王オーディン』と言い終えた。その次の瞬間に空から黒い雲が現れると、そこから光のカーテンが俺達の居る地表にまで降り注ぎ、その雲が段々と白くなる。


『力を貸そう。神の名において我の剣を悪しき者に振りかざそう』


 雲からゆっくりと剣神の名にふさわしい聖騎士の鎧を纏った巨人が降臨した。オーディンが胸元で組んでいる手の間には巨大な両手剣が携えられており、なんとなくそれが聖剣であることを理解した。


「聖剣エクスカリバーを使った一撃必殺の究極剣技『アルテマソード』が得意な剣王だよー。ということで月の幻獣『ワスプ』。君には死んでもらおう。神獣シャリオスの名において裁きを下す」

『秘技、アルテマソード……はぁああああああ!!!!』

「『お、おのれええええええええええええ!!!! 呪ってやる。末代までのろってやるうううううううぎゃあああああああぁ――』」


 オーディンが振りかざした一閃の一振りが、月の幻獣を一瞬にして光の光線で消し炭にして戦闘は終わりを迎えたのだった。


次回第三章エピローグです。更新予定日は6月11日です。よろしくお願いします。


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