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【なろう30万PV突破記念】異世界ハンターで狩猟生活外伝:緋の与一物語

この話しはこちらの外伝集でも掲載しております。


SS:異世界ハンターで狩猟生活外伝集 https://ncode.syosetu.com/n0916ha/

 私の名前はミステルだ。兄であるタケツカミと一緒にハンター立ちで構成するクラン『緋の与一』を統括する幹部のメンバーひとりで、しがないながらも、クランリーダーの兄を後ろから支えている。


「ミステルさん。お疲れッす。今日の狩猟目標はなかなかの上敵でしたね」

「ああ、お疲れさま。あしたは明日で本命の超大型モンスター『セイランドラゴン』を討伐するからね」

「ええ、いよいよっすね。私達が追い求めていた秘宝の素材を持つ超大型の古代龍。今日戦って狩ったモンスターなんかとは比べものにならないと思うっす」

「うん。とりあえず剥ぎ取り作業の続きの現場監督を頼んだよ。レア素材や貴重な素材が見つかったら必ずベースキャンプにいるキャリアチームに提出すること」

「わかったっす。とりあえず喧嘩しないように見張っておくっすね。あ、荷物持ちのチームから聞いてるんっすけど知ってます?」

「ん、なんだ?」

「どうやらモンスター牧場を経営している少年。街から出て行ったらしいっすよ。キャリアの連中は耳がいいっすからね。おっかないっすわ」

「少年……カリト君か。街から出たってどういうことだ?」

「いや詳しくはしらねぇっすけど。なんでも牧場を経営している少年が長期休暇したいとかで遠くの街へ旅に出たみたいっすね」

「それで。モンスターの管理は誰がやってるんだ?」

「さあ、噂にはなっているんすけど。ギルド長が隠居の趣味で面倒を見ているらしいっすよ?」

「ギルド長が……か……」


 私はほんの一度だけしか見たことがないのだが。竜の姿をした女性だった。普段は秘書的な職員達が色々と机仕事をしているみたいで。実際に関わりのある人はほんの一握りらしく。兄であるタケツカミでさえも、伝令を介してでのコミュニケーションしかできていなく。ギルド事態が秘密主義を貫きたい程の支配者のようだ。今回の長期遠征狩猟もギルド長からの直々の使命で活動をしている。

 我々クランも相当な精鋭クラスの筆頭なのに。お目通りの許されないのには怪しささえも感じられる。


「とりあえず作業に戻ってくれ。終わり次第に休憩に入ろう。私はこれから次のモンスターについてチェックしてきたい事と。作戦を練りたいから頼むね」

「了解っす。じゃあまた後でっす!」


 普段の狩猟着である『ダイダリオス』シリーズの頭部を脱ぎ、快活な笑顔で敬礼をして立ち去っていくツンツンヘアーのカロミーナを見送り、元いたテントの中に入る。


※『ダイダリオス』シリーズとは、海の恐竜として知られているモンスターである海恐竜『ダリオス』から生産できる水中適応型双拳銃専用の防具で、主な付与スキルは『俊足』、『水中射撃適応』、『スタミナアップ』、『海の力』、『水属性強化防御強化』、『水中適応』、『攻撃力アップ2』、『高速リロード』、『スタミナ消費減3』の構成となっている。


「お疲れさん」

「タケツカミ兄さん」


 インナー姿でテント内にあるソファーに兄がくつろいでいる。


「洗濯物はどうしたの?」

「あぁ、それならキャリアに全部渡して乾かして貰っているところだ」

「他にも防具があったでしょ? なんでそんな裸みたいな姿でいるわけ?」

「いいじゃねぇか。お前は俺のオカンかっ!」

「妹だから気になるのよ。ちょっとはしっかりとしてよね。狩以外での生活でも」

「うぇ、俺のプライベート空間に入ってくるなっての」

「知らないわよ。……それで。明日には倒す予定のモンスターについて何か分かったの?」

「セイランか。古代龍種に属する。発見例の少ない希少なモンスターのようだ。なんでも普段は天高くの成層圏っていう所にテリトリーを持っているみたいで。こんな地上にまで降りてくるのはとても珍しいことなんだとよ。学者達が残した書物にはよ。繁殖期の為に降りて出産をするとか。とりあえず説は色々あるみたいだぜ。どれも信じがたい話しだけれどな」

「いいじゃない。命が育まれるのは」

「どうもそれをよしとしないのが人間ていうやつさ」

「そうよね」

「そのせいで街が消し飛ばされてしまった事例もその昔にあったみたいだからな。俺達の仕事はもう何度も分かっていると思うが」

「今までにあった自然や生態系を急に変えて壊そうとするモンスターをそこから排除。まはた撃退して切り離すのが仕事。あとは人間に害をなそうとする恐れのある場合もそれに含まれる」

「ああ、実に模範的な回答だ」

「当然でしょ。規律を守らせる立場の人間が分かってないなんてダメでしょ」

「そりゃそうだ。うんうん」

「狩以外での事でもしっかり規律を守れる立場の人間もなってほしいものよね」

「余計なひと言が多い」

「ふん。さて、その生態系を壊そうとしているそのモンスターはどんな特徴があるのかしら?」

「具体的には嵐を生み出して自身の居住しやすい環境作りをすると」

「となると。風を使った攻撃には気をつけないとね。超大型モンスターになると規模が違いすぎるもの。普通の銃弾では通用しないわね」

「そのためにギルドから高射砲とかの大型砲を借りれたんだ。使わない事はないさ」

「ええ、あとは通常の武器でどれだけ通用するかになるわね」

「基礎の部隊は重機関銃使いや軽機関銃使い達に任せる形で構成すればいいだろう。念の為に周囲を防衛するための小火器小隊を配備させて警戒にあたろうか」

「そうね。縄張りから逃げ出したモンスターを相手するのはその子達にまかせましょうか……」


 ショットガン、双拳銃、アサルト、スナイパーで護衛小隊を組めば良いわね。その他の銃使いはベースキャンプの防衛と警備にあたらせよう。盾持ちの片手拳銃使いを前衛に、後衛はサブアサルトで充分かしら。出来れば均等よく配分したい所ね。


「役割はまた後でミーリアに頼めばいいわね。私達は戦術を構築していきましょう。できれば11個ほどはストックしておいたほうが良さげかしら」

「だな。未知との遭遇だしさ。それくらいは用意してもいいだろうな」


 といった話しを続けてかなりの時間を費やし、出来た戦術は12個にも及んだ。これらを組み合わせて上手くいかずとも安定して立ち回れるはずだ。


「さてさて。そろそろ飯の時間だし行こうか」

「ええ、そうね」


 大型のクランにもなると。ベースキャンプには必ず食堂のテントが設けられている。そこで私達は腹を満たすことになる。調理を担当するメンバーはボルカノの高級街で腕を振るっていてもおかしくないレベルのコック達で、


「お、今日はルビーフシチューか! この皿にドカッとこう塊で煮詰めて載せた肉にトロッと赤くて香ばしい臭いのするルーが実にいい!!!!」

「兄さん。語彙力が足りなくなってるわよ。うふふ美味しいわね」

「あ、あたりまえだろぉっ!?!? こんなにもダイナミックで上手すぎる料理を前にして言葉を無くさないほうがおかしいだろぉっ!? なあ、お前達っ!?!?」

『もちろんっす!!!!』『いやいやないない。ないわー』


 男女で二分に分かれているわね。これだから男はって。まあいいわ。ナイフとフォークを使って肉を小さく切り離して口にしていく。上手い。これで充分だわ。


「ミステル。そこのパンをくれ」

「ええ、どれにする? バゲットがいいわよ」

「じゃあそれにするわ」

「はい兄さん」


 ルビールーも残さずパンで食していく。これがたまらなくてやめられない。上手い。これで充分だわ。


「兄さん。その付け合わせの野菜も食べておいた方が良いわ。ホクホクしてて美味しいわよ」

「そ、そうだな……」

「付け合わせの野菜は口直しの意味もあるの。肉ばかりじゃなくて野菜も食べなさい」

「お前はオカンかよ」

「あなたの妹よ。まったく」


 いつになってもこの歳で野菜嫌いなのは良くない。兄のそこを直さないといけないわね。そう思いながら食事を続けてると。


「お食事中すみません。すこし小耳に挟むべき報告がございます」

「なに? 手短に頼むわ」


 伝令係の青年ハンターが私の元にやってきた。彼は伝令チームのメンバーの一人で。名前は確か……。まあ、それはいいわ。


「はい。先ほど剥ぎ取り作業の全行程を終了した事を報告に参りました」

「うん。ご苦労様。作業にあたった人間には全員休ませなさい」

「了解です。それと」

「ん?」

「近くで肉食竜種のモンスターの目撃がありました。偵察ハンターからの報告では。四つの足で大地を駆け巡る様に走り回る竜がこちらに向かって進行しているとのこと。迎撃にあたるハンターの選抜の要請と。討伐防衛に大至急来て欲しいとのことです」


 肉食竜種のモンスターがこちらの方に向かって進行か……。放っておくと面倒な事になるわね。明日は総出で討伐になる。そのあたらせた人間が使えなくなるのは痛手になりかねない。メンバーは40人。私と兄を含めると42人になる。この場所を荒らされるのはまずい。


「志願者は?」

「これからです。先にお二方に報告しろとの命令でしたので……」

「だそうよ兄さん」

「そんなの俺達に行ってこいって間接的に言われているのと変りが無いぜったくよぉ……」


 珍しく兄が不機嫌そうだ。ならここは。


「私がソロで狩に行くわ。いいでしょ? 今日は非番みたいなモノだったし。たまには前線に出て戦わせてよ」

「よ、よろしいのですか……?」

「兄が嫌がってるのに妹の私が出ないのはおかしい話しよね? ならそれなりにやらないと」


 ささっと食事は終わらせた。優雅な一時はここでお終い。スイッチを切り替えて狩猟モードになろう。


「私が50分ごろに帰ってこなかったら増援を出して頂戴ね。だれでもいいわ」

「とかいう前にチョロッと終わらせてくるくせによ」

「兄さん。後は頼むわよ」

「おう。気をつけてな」

「行ってきます」

『お気をつけて!!!!』


 私が出かけると言えばみんながこうして反応してくる。そんな彼らの安住の地を守るのが幹部である私の勤めだ。


――次回は40万PV達成時に公開です。お楽しみに!

――次回は40万PV達成時に公開です。お楽しみに!※追記:今後から一定のPVに到達した際に、新規の短編小説集として別で掲載させていただきます。


次回の更新予定日は6月5日です。よろしくお願いします。


この作品が少しでも『面白い』また『続きが気になる』と思って頂けましたら、是非とも広告下にある『☆☆☆☆』の所を押して高評価をお願いします! ブックマーク登録も必ず忘れずにお願いします。レビューや感想もお待ちしております。誤字脱字報告の方も随時受け付けております。次回の更新もお楽しみに!


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