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248話:荒野に棲む長猟竜クロコダイラス その4

 狩猟をしていたエリアから離れた後に、セイバーMk.2を背中に掛けて地雷2個を両手に再度クロコダイラスに挑んだ。


『グルルル……』

「こいよクロコダイラス。真っ向から勝負させてもらうぞ」

『グガアアアアアア!!!!』


 感情共有の力でコミュニケーションのとれない相手なのは序盤の戦いから分かっている。俺個人の見解にはなるが、元から自然に生まれたモンスターではない為に、言葉を介する事ができないのかもしれない。


「狙い通り」


 クロコダイラスが獰猛さを露わに突進攻撃を仕掛けてきた。それに合わせてこちらも手にしている地雷を地面に1枚を設置。信管のスイッチを作動させて、早急にここから回避をする。相手との接触の差、わずか3秒の絶妙なタイミングだ。地面に転がりながら態勢を立て直した直後に。


――ズゴンッ!!!!


『グゥァアアアアアッ!?!?』

「よし、決まった!」


 地雷の爆発に巻き込まれたクロコダイラスが大きくよろけてひざまずく。そこに俺は追撃でその場に地雷を再び設置する。これで使える個数は最後だ。あとはセイバーMk.2でこちらに気を引かせて地雷に誘導すればいける……はず……!!!! すかさずセイバーMk.2に通常弾を装填して一定の直線上まで距離を置いて構え、よろけから立ち直ったクロコダイラスに攻撃を仕掛ける。


『グルグル……』

「…………」


 注意を惹いているがそこから一向に動こうとしないまま睨み付けているな。警戒しているということはこちらの意図を理解しているようにも捉えて良いのだろうか? ならば。


「手榴弾だ!」


 腰元のポーチから中程度の破壊力のある対モンスター用手榴弾を持てる数の3つを投げつけた。


『グギャァッ!?!? ガァアアアアアアア!!!!』

「うっせぇ!?!?」


 戦い方を変えた直後の大咆哮に怯んでしまった。そしてその隙を狙うように突進攻撃を仕掛けてくるクロコダイラス。俺はその瞬間いけると思った。


『グァッ!!!!』

「ちょっおまっ!?!?」


 そんなま、まさかっ!?!? クロコダイラスは地雷を飛び越えて俺に顎を開けたまま飛び込んで襲い掛かってきた。予想外の行動に反応が遅れてしまった俺は奴の噛みつき攻撃に捕まってしまい。


「あぁああああああああ?!?!」


 食われるとはこういう事だと初めて肌で感じている。幸いにもフルアーマプレートの耐久力が俺の肌身を守ってくれていて、即死にはならずに済んではいるが、このままでは死んでしまう……!!!!


「……ぁあ、あかん。これで一か八か……」


 押しつぶされる圧迫感が腹に来ているなかで、両手が自重に動かせる事ができている。そして手にはセイバーMk.2がある。弾倉は通常弾だけど、それを抜き取ってしまって。それから……、


「……だめだ……サンドラバレットの入った弾倉が取り出せない……」


 腰元に閉まったままだった。ダメだ……冷静に考えられずにミスを犯してしまた……これは……ははっ……。


「死ぬんだな自分……」


 クロコダイラスがとどめの一撃に俺を近くの岩壁に叩きつける。激しいめまいになりながら身起こして立ち直るも、そこからのアクションができない。あぁ、いわゆるピヨリ状態異常か。朦朧とする視界の前ではクロコダイラスが水流砲撃の態勢に入っている。


 そして――


――総員一斉射だっ!!!!! カリトを援護しろ!!!!

――うぉおおおおおおおお!!!!


 多彩な色と共に砲撃を仕掛けようとしていたクロコダイラスが爆風に巻き込まれた。……えっ?


「カリト君! 大丈夫っ!?!?」

「あ……きみ……は……」

「名前は答える暇は無いわ。急いでこれで回復して!」


 意識が鮮明に戻ってきた。少女の側にいるヒーラー系の飛竜型幻獣が俺に回復魔術を掛けてくれたようだ。


「ここは私達が援護するから。あなたが必殺をキメて!」

「……わ、わかった! その、ありがとう……!!!!」

「お礼はあのモンスターを倒してからにしよう!」

「ああ、そうだな」


 俺はサンドラバレット弾倉を取り出して差し込み、クロコダイラスをその場に抑えてくれているみんなの援護攻撃に感謝に思い、


「これでトドメだ!!!!」


 態勢を取り、狙いを定めてクロコダイラスに最後の一撃を撃ち放った。


――ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!


 クロコダイラスは最後の一撃を受けて半壊した姿でその命を終えることになった。その直後に俺はその場で立ち上がって合掌をした。そのモンスターによって無惨な最後で消えて行った命と共に冥福を祈るのだった。

次回の更新もお楽しみに! よろしくお願いします!


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