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228話:フロント企業の社長 その1

――社長は多分だけど。親の企業のビジネスマンに顔を出しに行っていると思う。定期的に社長は上がりを報告しないといけない仕事を任されてるからな。

――場所はどこだ?

――おそらく、金を受け渡しにしてる倉庫で会っていると思う。

――その情報は確かなんだろうな?

――間違ってたらタダじゃ済まないよ?

――こ、これ以上の痛いのは嫌だ……。ああ、命に掛けても正しいと言える確かな情報だ。


 とりあえずその社長を捕まえに行かないといけない。何故かって?


「社長だけ甘い汁を吸って裕福な暮らしをしているらしいな」

「本当ムカつくよねそれ。自分だけ生活が豊かなのはダメだと思うよ」


 怒り顔でプンプンと仕草で態度を露わにしているラパンに対し、俺もそれに合わせてあきれ果てていた。まあ、副社長の奴に対しても呆れているが。


――その、この事はどうかご内密にお願いします……。でないと俺達も明日から路頭に迷う羽目になるので……。

――バカかテメェは。


 まあ、その後は色々と約束をさせて見逃してやった。俺もそこまでは面倒は見切れないからな。後はあいつらがどうなっても知らないと考えている。


「それで、あのラプトルはどうしたの?」

「ああ、あれは故郷に帰してやった」


 正確には街から自力で帰れるように手伝ってやったと言うべきかな。グリムに感情共有の力でこの事を知らせて。それで後はグリムに任せる事にした。俺なりの優しさだ。


「グリム様と直接頭の中でお話ができるのって本当に凄いね。私もカリト君みたいな事ができたらいいのに」

「いや、あまり褒められるような事でもないな」

「どうして?」

「どうしてもこうしてもな……」


 単純な話し、巻き込まれ体質になるからだ。おかげで自分のやりたいと思っているハンターの仕事が疎かになってるからな。ミステルさんに誘われた緋の与一のクランに入団する話しも中途半端だし。


「あぁ、ひと狩りしたいな……」

「え、人殺しにいきたいの……?」

「んなワケあるかよっ!? 本業でモンスターを狩る仕事をしてるからさ。それでつい思いだしてな……」

「うーん、カリト君の気持ちはよく分からないけれど。とりあえず今を楽しめば良いと思うかなー」


 そう行って俺に身を寄せて、ムギュッとラパンが胸を押し当てて腕を組んでくる。


「なんのつもりだよ……」

「えぇ、デート気分を楽しんでるのー」

「ったく……」


 もうこれで何度目だ? 忘れるくらいに言い寄られては振り払うの繰り返しを続けている。リリィに見られたら一溜まりも無い。


「あれ、今日はいつもみたいな感じに振り払ってはこないの?」

「知るか。勝手にしてろ」

「って事は恋人になってもオッケー?」

「悪いが俺には恋人がいるから無理だ」


 と行ったらギュッと掴んでくる彼女手の締め付けが強くなり痛みを感じた。こわ……。


「私。諦めないからね。例え君がその人が好きでも。私は必ずこの手にするまで諦めないから」


 露骨過ぎて逆に信用のある言葉に聞こえてくるのが悩ましい。その言葉を聞き流しつつ次の場所に向かう為に近くの駅へ向かった。


「……何あの女? 何が諦めないですって……?」


 ん???? いま誰か俺に向かって鋭い視線を送ってきたような……。まあ、いいか。

次回の更新予定日は4月22日です。よろしくお願いします。


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