220話:飛行風魔術『エア』で遊覧飛行 その2
飛竜などの乗り物を使わずに魔法で空を飛ぶという初体験を前に俺達は感動していた。下から見えてくるアテナの街全体の姿は絶景だった。機械の街アテナ。そう印象深く残る景色には様々な思いがこみ上げてくる。
――異世界で機械的な街並みを見れる時が来るだなんて。世界はまだ俺の知らない所にこんな素晴らしい場所を日常的に映し出しているんだ……。
「これが俺の異世界生活か。アニメとかファイファンで見ていた景色を間近でこうして拝む事ができるって凄いわやっぱ異世界」
空は俺を想像の並に誘ってくれる。そんな気がするな。
「なぁ、これがお前のテイムした幻獣の力だよな?」
「ああ、そうだけど?」
ふとアルヴェルが俺の元に寄ってきて話しかけてきた。彼は空での移動に対する心得があるようだ。すいすいと身軽に動いている。
「俺の使役しているウィンディーバードとは全く違う原理で俺達を空に連れているみたいだが。大丈夫なのか?」
「というと?」
「あんな大男の姿をした幻獣なんて聞いたことも見たこともないからな。なんか怪しいぜ」
んんん????
「すまん。そう言われてもよく分からないな。俺も正直成り行きっていうかひょんな感じに幻獣を使役する事になったからな」
「にしてもお前が幻獣召喚士になっちまうとはな。正直ビックリおっかねぇわ」
「そう言われても困るな……。俺だってこの手にした力の使い方を知らないわけだし。そう評価されても実感が湧かないっていうかな……」
「俺の知る限りではそういう奴ほど後の大物になる人間なのは間違いない。だからこうしてお前と仲良しになりたいと願っているんだ」
「それ、言葉にしていう事かよ」
突っ込みどころ満載ながらもアルヴェルの言葉に耳を傾けながら空を飛んで20分が過ぎたあたりで、
『そろそろ魔法の力も消失する頃合いです。一旦地上に降りることにしましょう』
「わかった。みんなそろそろ魔法の効果が切れそうだから一旦学園にもどるぞー!」
と声を掛けたところでサイクロンが俺達の身体を一挙に動かす形で操り始めて、そのまま最初に飛び立った実技場まで連れて、その流れのまま着地を手伝ってくれた。特に自分からなにかをするわけでもないのでただボーッとサイクロンと一緒に降りるだけだった。
次回の更新予定日は4月4日です。よろしくお願いします。
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