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215話:召喚幻獣『サイクロン』との戦い その1

自身の体調を考慮して更新予定日遅らせていただきました。ごめんなさい。

 荒れ動く竜巻の近くに並び、俺とルナ先輩は各々の武器を手にもって構える。俺はセイバーMk.2を両手に提げ、そしてルナ先輩は廃墟都市でみたショットガンとは別の、黒を基調に熔岩の色をした縞模様の散弾銃を肩に担いだまま片手でもっている。


「あの竜巻を起こしているモンスターなんなの?」

「あれはサイクロンと呼ばれているなにかです」

「知らないのに呼んだの?」

「いえ、その。自分の使役している幻獣が能力で呼び寄せた存在でして」


 シャーリーが呼び寄せたものだからその中身を俺はよく知らない。


「知らないまま呼んだのって凄くリスキーな行為だと想うわ。そこは分かっていたのかしらカリトちゃんは?」

「うっ、それを言われてしまうと返す言葉に困りますよ……」

「向こう見ずな行為は慎むことって言ったはずだけど。とりあえずいまは目の前の竜巻ちゃんをなんとかするわ」

「するってどう具体的に?」

「そんなこと、私達の身体を張って鎮めるしかほか無いわ」

「か、身体って……」


 具体的な案が不透明って言うか……正直にルナ先輩の頭の中に描いているこの竜巻に対する対処方法が読めないな……。と想っていると竜巻の動きに変化があり、


『何者だ貴様らは。我は崇高なるお方である神獣様により呼び寄せられし召喚幻獣である。人間如きがなにゆえに我の前に立つ?』


 規則的に動いていた竜巻がその場で立ち止まるように制止し、そこからどっしりとした声色の召喚幻獣と名乗る者が俺達に語りかけてきた。その問いに対して俺よりも先にルナ先輩が動いて。


「質問に対する返答をする前に一つ聞かせて。貴方は自信を召喚幻獣っとなのってるけど。名前はなんていうの?」

『…………。よいだろう。我が名はサイクロン。風の根源に属する頂点にして1強の存在。して、人間如きがなにゆえに我の前に立つのだ?』

「それはもちろん。私達の生存圏を脅かすかもしれない存在だと判断したからこうして真っ向勝負に挑もうと想っているのだけれど役不足かしら?」

「えっ、それってルナ先輩っ!?」


 いまサイクロンと名乗る召喚幻獣の話しを聞いていたよね!? 自分を風の根源に属する1強の存在って名乗りを上げたのに、どうしてそう自信にあふれた顔をしているわけなんだこの人はっ!?!?


「カリトちゃん。これはチャンスよ。あなたが他の子にはない大きな力を手にすることができるチャンスが巡ってきたのよ。これを先に渡すわ。ほら、受け取って頂戴」

「これは……?」


 ルナ先輩が投げ渡してきた透明な水晶玉。大きさは片手に乗るほどで、別の物に例えると野球ボールくらいの大きさだ。


「使って見ればその価値が分かるわ」

「そう……ですか……」


 そう言われてもなぁ……。と想っていると竜巻こと、サイクロンの様子に変化があって、


『ぬ、それは……なるほどな。ふははははっ、これは実に面白いではないか。なるほどこの我を使役したいと望むのか。道理でこの我の前に立つというわけだ。かっかっ』


 因果関係を感じたのだろう。俺が手に持つ水晶玉に反応してサイクロンが反応を示してきた。そして、


「そろそろその竜巻の衣から姿を現したらどうかしら? こっちは素の姿をさらけ出しているのに失礼じゃぁない?」

『うむ。それは失礼な事をした。ではこの我の姿を見るが良い。そして目に焼き付けた瞬間が主らが生きていられる最後の瞬間である事を覚悟するがよい』


 死に繋がるゲームである状況を俺は理解した。生きるか死ぬかのどちらかって単純明快な事だな。そう想うのもつかの間で。


「来るわよカリトちゃん! 私が前衛を張るからあなたは後方に回って狙撃で援護して頂戴!」

「りょ、了解です!!!!」


 慌てながらも竜巻の唸る姿を背に向けて走り出し、そのままルナ先輩をその場に残して配置につき始めた。膝立ちになり、スコープ越しに狙いを竜巻の方へと全集中しつつ様子を伺う。


『さあ、我の姿を見たのであるなら全力で死に向かって戦うのだ人間共よ! 自信の愚かな言葉に対してあの世で悔やみ後悔するがよい!!!!』


 その言葉と共に竜巻が一気に霧散し、中から緑の肌に巨漢の姿をした全長約300センチの召喚幻獣サイクロンが姿を露わにした。その姿は風神にインスピレーションを受けたかのような様相をしており、ひと言で例えるなら『召喚幻獣サイクロン』とも呼べるな。


「風の力で自身の身体を中に浮かせて制御しているのか……」


 と感慨にふけているとシャーリーが。


――サイクロンが放つ竜巻の衣には注意するんだカリト! あれは普通の攻撃では通用しないからね。


 サイクロンに関する注意点を教えてくれた。どうやら風で攻撃を防ぐことのできる能力があるとみた。ならそれなりに立ち回りは変わっていくはず。


「いままで培ってきた俺の経験と。この新しい銃のお披露目には丁度良い戦場だ」


 カミルさんに急遽お願いしておいたアレを試すときがきたようだな。そう想いながらルナ先輩と召喚幻獣サイクロンの戦いが始まっていたのでああった。

次回は3月8日の夕方を予定しております。よろしくお願いします。

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