212話:退屈な授業 その2
午後になり、俺達最下級学徒のみんなで実技の授業を受けることに。そしてその最初となる今日の授業の内容というのが。
「今日は皆さんに実技場に生えている雑草を引き抜いていく作業をしてもらいます。幻獣との使役関係を構築する上でも必要となってくる作業です。くれぐれも気を抜かないように」
「まじか」
――ねぇ、一体どういうことだい!? このボクが下級幻獣共のするような仕事をするだなんて……!?!?
先頭中央のに立つ中年の女学者の言葉を聞いて酷く混乱するシャーリーに対して俺は。
「いや、俺も正直に驚愕だっての!? こんなのまるで野球部に入ったばかりのどっかの新入部員みたいな話しじゃないかよ!?」
「そこ、何を驚いているのです?」
「あいえ、すみません何でも無いです。ただの独り言です」
「コホン、私語は慎むように。さて……」
「あっぶねぇ……」
――どうせボクが出ればみんな驚くと思うよ?
「いや、それはわからんな」
可愛いと思われるかもしれないし、得体の知れない生き物だと思われるかもしれんが。とりあえずシャーリーには申し訳ないけれど。
「とりあえずシャーリー」
――おう。
「こいつらの為にも頑張って草刈りをするぞ。ひと刈りいこうぜ」
――君が何をボクに伝えてきてるのか。特に最後あたりのひとかりいこうぜとは何だい?
「ただのスラングだから気にするな」
――君の言っている言葉がよく分からないよ。これも人間と神獣との間にある差ってやつなのか……君との話をするのに理解には苦しみそうだ。
「伝え方の問題だから気にすんな」
と一人でこっそり話しをしてると。
「では早速実技場の整地作業をお願いしますね。ルールは簡単。時間以内に効率よく行うことです。地道に作業するのもよいでしょう。ですが、そうするとあなた達の貴重な学園生活の時間が無駄に浪費されるだけです。知恵のある行動に期待しますよ」
「ふーんなるほどな」
――君からなんとなく悪知恵を思いついたという気がしてきたよ。何をする気かはしらないけれどね。
「簡単な事だ」
要は頭を使って草刈りをしろっていうことだろ? 何なら能のあるもといい、見込みのある相棒にまかせればいいんだよ。
「シャーリー」
――うん。
「お前の力を最大限にみせる時が訪れたぞ。シャーリーいまから俺と一緒に協力してあそこでチマチマと何も考え無しに地べたに這いまわって草むしりをしている奴らに俺達の力を見せてやろうぜ!」
――下級幻獣のするような事を一緒にするだと……? ふざけているのかい君は?
「いや、ふざけてないな。俺は真面目に考えて言っている」
――…………。わかった、君の計略に付き合うことにしよう。ただし、これで見返りがよくなければボクはすこし考えさせてもらう。具体的には言わないけれど。
「中々にハードな内容だな」
と思いつつ、さっそくシャーリーの言うとおりの計略というの名のお手軽草刈り作戦を始める事にした。
次回の更新予定日は3月7日です。よろしくお願いします。




