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208話:最下級学徒・サトナカ カリト

 翌日の朝になり、俺の学園生活が本格的に始まる。


「ここが俺の通う教室か」


 学園の敷地内にある片隅の小さなプレハブ小屋のような簡素な建物の中にある、『最下級学徒教室』と表札がドアブチにぶら下げられた一室を隔てるドアの前で、恐らく中にいるであろう俺と同じ同級生の事を想像していた。


「どんな奴が俺と同じ仲間になるんだろう」


 それとなくヤバイチンピラ達のたまり場にならないで欲しいと願うばかりだ。そういった輩に昔。自分が玩具にされた事があったからな。できるなら力を使わずに仲良くやっていきたいものだ。


「ここでもじもじしてても意味ないな」


 と独り言を呟きつつ、室内に入ってみると。


「……ふぅ、なるほど」


 俺が教室内に入るなりに、複数の視線が自分に向かって釘付けになって襲い掛かってきている。どれも警戒心を露わにした顔つきと目の色をしているな。で、さっそく第一声と言わんばかりに、窓際の列の中央にズカッと崩した姿勢で簡素な木製の席に座っている、髪は短く金髪の青い目をした強面の制服を大きく着崩したチャラい男がニヤッとして。


「おいおい。センコーかっておもったら。なんかいかにもよわっちそうな奴が入ってきたぞ」


 と周りにいる同じ感じの男女の取り巻き達にそう促しており、それに合わせてそいつらもクスクスやニヤッとした感じに、あたらしい暇つぶしになりそうな玩具がやってきたという感じで俺の事を見てきている。うん、完全に初対面で俺の事を見下してきたな。


「よお、いきなりそんな挨拶をされるとは心外だな。これから仲良く学園生活を送るって言うのに。それだとお互いに身が持たないことになるぞ?」

「…………」


 相手の出方を伺っているのか無言でこちらを見つめてきている。


「どうした? なんか言う言葉はないのか? ないなら遠慮無く座らせて貰うぞ」

「気に入ったぜお前!」

「はっ?」


 態度が一変した。なんか知らないけれど。俺の事を気に入ったみたいで、表情が明るくなった。


「お前の名前はなんだ?」

「サトナカ カリトだ」

「カリトか。よろしくな。俺はアルヴェルだ」


 と言ったところで教室のドアが開かれて。


「はい。皆さん席に座ってね。そこの男子生徒立ってないで座りなさい」

「……えぇ!?」

「お久しぶりサトナカちゃん! あんじょーしてたかな?」

「ルナせん……ぱい!?!?」


 学者服姿のルナ先輩が俺の担任の先生だってい、いったいどういう事なんだっ!?!?

次は日曜日に更新させてもらいます。よろしくお願いします。

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