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206話:どうして?

 クラス決めの試験が終わってしまった。他の人間は自分の試験結果に満足したり、あるいは一喜一憂でグループを組んで喜びや憂いを分かち合ったりしてて正直。


「…………なんで?」


 そこから見えてくる明るい光景を、試験場の片隅にある小さなボロボロのベンチから、俺だけ青春の一時からはみ出されている様に感じざるを得なかった。座って動く度に軋むベンチの音よりも、あそこで楽しむ学生達の出す声の方がうるさく思えてくるほどに俺は、


「絶対におかしいこんなの……!!!!」


 自分に訪れた結果に強烈な不満を感じた。


「あの白く光って見えなくなった時に何かがあったんだ」


 俺は怒りを感じると何故か凄く頭の回転が速くなるところがある。最初から最後までに起こった出来事の中で、一番重要な所はあの場面でしか起こりえない話しだ。


「俺が見えない事をいい事にして。おそらく何者かが俺の召喚の儀式を邪魔して魔方陣を破壊したんだ。そうじゃないと言うなら他になにがあるってんだよ?」


 苛立ちと強いストレスから思わず右手の親指の爪を口でガジガジと齧り付きながら推測を立てていく。


「容疑者と思うにあたる候補の人間は一人だけ。あの女試験官。……だが一人に出来る犯行なのかが分からない」


 そもそもこの世界に魔方陣という言葉や存在があるということ自体が俺の中では初耳で初見だったんだ。どういう原理であれが起動するのかも分からない以上。これ以上のむやみな憶測だらけの推理は俺にとって振りになっていくはずだ。イリエならこの場合だとどうする?


「…………そうか。その手があったな」


 こうしては居られないと思い。俺はどうせ最下級のクラスに入る事だしと思い。自分の寮に戻ることにした。そこで俺の身の潔白を白日の下にさらす為の行動を始めるんだ。って、思ったのだけど。


「ねぇねぇー。試験はどうったのー?」

「…………なんで俺の部屋にお前がいるんだよ!?!?」

「合鍵っていうやつー? それとも寮母さんにあれこれ吹聴して出入りを自由にしてもらったりー?」

「どっちも正解じゃないのかなっ!?」


 俺のベッドに寝転がってラパンが不法侵入をしていました。まじ……かよ……!!!?


「お、おれの唯一無二の絶対領域的なプライベート空間がお前に侵されてしまうとは……!!!?」

「んふっふっふぅー! 私って運のいい女だからねー!」

「それとこれとを紐付けて話すな! ややこしいから!」

「おーややこしやー! ははっ、それで。どうだったのクラス決めの試験はっ!? 君なら最初から最上級学徒として身分を貰えたんじゃないのかなっ!?」

「あと……そのな……」


 そうだったな。こいつは俺の身に起きた出来事を知らないんだったな。俺はラパンにこの全てを打ち明けることにした。すると彼女はんーっ、と気難しそうな考える素振りをして見せてきて。


「それ、絶対におかしい話しだよ。だってあの魔方陣はそう簡単に破壊できないように特別な魔法作用システムが組み込まれているの。いわゆる誤作動とか外部からの攻撃にたいしての防御プログラムのことね」

「それとなーくおう……だな……」


 魔法とかよく分からない自分がそれを理解するのにはちょっと無理があった。なので代用とはなんだが。パソコンのプラグラミングと重ね合わせて分かろうと努めることにした。


「ちなみに。その防御プログラムを簡単に突破して本体の魔方陣をぶっ壊すなんていう魔法作用をもった何かってある?」

「…………正直いうと。いくらでも工夫を凝らせれば簡単に術式破壊クラッキングは可能よ。だけど学生はそんなの教えさせてもらえない。なんでって言われたら常識的に考えてそんなのを覚えてしまえばなんでも悪い事に使えるからよ」

「それだとそのクラッキングに対する対策が講じずらくないか?」

「うん。そうね。でもそういうのって専門職希望の人達が就学して勤める時に教わる技術だから。学生のうちはそれらを切り離して色々と教育を受けていくの」

「それをなんていうべきなのか」

「そうねー。バランス調整っていうのかなー。多分だけど」


 じゃあ、その術式破壊で俺の試験の結果は台無しになってしまったのか。誰がそんな事をしてくれたんだよ……? 目的は何なんだ?


「ちょっと私も君の手助けになれる事をしようと思うかな。だって君は理事長様のお知り合いでしょ? だったら尚更だよ。ちゃんとした処遇を受けられる立場にあって。そんな風な扱いをうける義理や道理はないはずなんだよ。あ、これは私がまだ信じ切れていないからそうはずとか言っているだけの話しなんだけどね」

「いいさ。そのうち仲良くなれればいいんだから」

「もーっ、そうやって私を焦らしてくれるんだからー」

「……なんか余計な期待を持たせてしまったみたいだな」


 まあ、これで幾分かは動きやすい立場になったんだ。あとは外部からの協力を得てどうにかしていこう。

新しい職場での仕事の内容を勉強したり、体力的にきつかったりとなかなかやりがいのある仕事だなと思いながらの二週間目をむかえております。更新作業にばらつきがあるかもしれませんがこれからもよろしくお願いします。


次回は1月23日です。よろしくお願いします。


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