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197話:アテナ都立テイマー学園 その3

お話で使われている言葉の簡単な読み方のおさらい。


感情共有→『コネクト』 モンスターテイマーのみが使える特別な力で。お互いの気持ちが通じ合っている限り、片方が話しをしたいと思ったときには必ずどんな距離であっても言葉を交し合う事が可能である。サトナカ カリトのモンスターテイマーとしての才能は発展途上中であり、先代達のような本領を発揮するには至ってはいない。なお、劇中にもあったとおりに。強力な精神の干渉があると、もろにその影響を受けやすく。逆に作用する悪い能力にもなりえる一長一短の能力でもあるので。今後の彼の成長次第ではどのようになるのかが見物でもある。※作者も気になっていて仕方が無い。

「はーい、これで君も良い感じの男前さんになれたよー」

「ほ、本当に男前になれたっていうのか……?」


 半信半疑で背中で俺の着ている制服の整えをしてくれたラパンに聞くと。


「それは君の気持ち次第でキモ男にもなれるし、逆に魅力的でダンディーな女の子にモテモテのイカした男にもなれるかなー。私はどちらかというと君の事が好きだから何でもいいよー」

「俺の彼女だったらベストな回答なんだろうけど。俺、あっちの街に女がいるからな?」

「んー、それって。無効で知られなきゃ犯罪とか悪い事じゃないよねー。って、昨日も同じ事をいっているんだけど?」

「いやいやそういう話しを押し通してくるなっていいたいんだってばっ!?」


 両手を横に広げてラパンのなすがままにされている自分には言葉でしか気持ちをあらすことができずにおり、正直に今すぐにでも彼女から距離を置きたいくらいだ!? なんか身の危険がMAXで差し迫っているからかなーってなっ!?!?


「むーっ、そう言ってくる癖に私には服を整えさせてるって。それって脈ありな訳っていうことだよねっ!?」

「なんかお前となにかする度に脈ありだと思われるの。正直にしんどくね……?」

「ううん、私は隙あらば君の隣に居座って彼女にでも愛人にでもなれる準備は出来ているつもりだよ。ほら、こうして誰もいない所で不意打ちに――えぃ!」

「ふぉっ!?!?」


 むぎゅっと背中に彼女が抱きついて巨乳を押し込んできた。こんな事リリィからされたことなんて一度も無い。悔しいけどこいつのおっぱいはデカい……!!!! それだから余計に恥ずかしくて頭がテンパってしまうんだ……!!!! すると、俺を後ろからギュッと抱きついているラパンが、


「私。絶対に君の事を諦めたりしないから……。千載一遇の恋のチャンス。この私に不運なんて訪れたりはしないんだから……!」

「ラパン……」

「もう君の事を一度たりとも視線を逸らすことなんて出来ないの。だから私とこれから楽しい学園生活を送ろうよ」


 やたらと倍プッシュに推してくる恋愛感情に違和感を感じるが。


「…………」

「どうして答えてくれないの?」

「わからない。君が会って2日の男にそこまで執着してくるのか。俺にはその行動や言動が理解出来ない。そんな奴にまるで俺だったら簡単にお手軽にコロッと落ちてくれると


 これだけは芯を通して言える。


「悪いが今の俺には恋愛はお断りだ」

「そんな……」

「俺には愛する人間がいる。ここに来たのも向こうで起きた。お前には言えないネメシスでの辞令で「あっ、それは知ってるよ」…………はっ?」

「だから知ってるっていってるの。ボルカノの領主を勢い余って手に掛けちゃったんでしょ? この学園でも超がつくくらい有名な話しになってるよ?」

「……えぇ????」

「だってここの学園の初代理事長はアリオン・ルー・ドワール三世様だよー」

「…………まじ?」

「うん、まじだよー?」

「それって何処で知れたりできる?」

「理事長室にいくといいかなー。あ、でも現理事長の大賢者様は御気難しいお方で有名だから。入学手前の学生の君が行くと酷い目にあうかもよ?」


 そこに行けばその情報を確かめることができるんだな。


「ちなみにその。アリオンの死はどうこの学園で知らされているんだ……?」

「んんん? ふつーに。モンスターテイマーの研究の過程で爆発事故が起きちゃって。その爆発を起こした犯人もろとも一緒にお亡くなりになられたって聞いているけど???? 違うの?」

「いや、それであってると思う。ちょっと内容が違ってたりするがな」

「そっか。その現場になった街ってカリト君の住んでいるボルカノだものね。直の情報がこうして学園都市アテナに流れている時点ですこし尾ひれがついているよねー」

「うん。そうだよな」


 いや、まあ。そういうことにしよう!!!! コレばかりは嘘を突き通さないといけないからな!?!? 相手が人の顔を見て何を考えているのかわかっちゃう人物じゃないといいのだけど。こいつ色んな人間と仲良くしてて顔が広いからな……。それに天賦の才『幸運』を司るチートの持ち主だと本人はあやふやな感じに伝えてきている訳だからな……。警戒心はもっておかないと……!


「さて。お喋りはそれくらいにしておこうぜ。もうあれだろ?」

「うん。そうだね。でも、絶対に君の心を掴み取る事は諦めないからみてなさーい! バキュンとしてドキュンってしてあげるんだからね!」

「うっ――!?!?」


 なんだ、彼女が俺の前で可愛く手を拳銃の形にして撃ってくる仕草を見て何をドキッとしているんだよ俺はっ!?!?


「ぜ、絶対に屈したりはしないからなっ!?」

「ふふーん、そう言っていられるのも今のうちよあははっ!」

「はっ、ははは……」


 あーっ、恐……。


『学園内にいる生徒の皆様にお知らせいたします。間もなく講道館にて新入生ならびに中途入学生に対する式典が行われます。各自生徒は衣服を整えて入場を始めてください』


「ん、これはどこから聞こえてきているんだ?」

「ああ、場内アナウンスね。これはここでよく使われているテイマー学園の先生達が使う能力で。コミュニケートっていうの」

「感情共有の力と似たようなものなのか?」

「そのコネクトっていうのは初めて聞く能力だね? どんな能力なのかな?」

「うーん、それはな。何も喋らなくても相手と意思疎通ができる力っていうのかな?」


 ごめんラパン。君には俺の能力を開示したりできないからまた嘘をつかせてもらうよ。


「えぇ、それってすごくない!?!? カリト君はそんな事が出来ちゃうのかな!? かなかな!?!?」

「いや、そんな簡単にできる分けないじゃないかなっ!?!?」

「ということは少しでもできるんだねっ!?!? じゃあ、私が心の中で何を言っているか分かるかなっ!?!?」

「どれどれ……」


 人間相手にやったこと無いし。試したことも無いからな……。って、おいおい。


「……お前ワザとだろ」


 『俺はラパンの事を心の底から愛している。だから俺、この式典が終わったら彼女と結婚するんだ!』って、謀ろうとしたなラパンっ!?!? 


「んーっ、なんのことかなー? ほら、言ってみてよー」

「ぜってぇいわねぇからなっ!? 言い方が乱暴になるからこれ以上はお断りだ。分かったろ!? 俺にはそのお前のいうコミュニケートみたいな力が備わっているって」

「むーっ、あと一歩の所で言質が取れそうだったのにぃ! そしたらこの録音機でパパに聞かせてあげて君をお婿さんにしてあげようと思ったのになー」


 恐るべしラパンという名の女の怖さ……!?!? 危うく俺は成り行きに結婚させられるバッドエンドルートへ一直線に向かうところだったぞぉ!?!?


「あぁ、もうお前と距離を置きたいよ……ほんとう……」

「えー、でも他にあてのあるお友達はいるのかなー? んんん???」

「べっ、別にぼっちでも構わんさ。どうせこの学園に居る間は適当にさせてもらうつもりだったしな」

「さっ、さっそく君ってやつは!?!? もう不良になろうとしているのねっ!?!? ダメよ!? どんな理由があろうと君は将来が約束されている身なんだから。間違っても落第生にはなってはいけないんだよっ!?!?」

「その、ドロップアウトってなんだよ。成績不良とか留年者の事を指す言葉なのか?」

「それは言えないかな……。むしろそうなるような場面に出くわして欲しくないからね……? もう行こうよ。そろそろ式典がはじまるし」


 そう言って俺の前から立ち去ろうとしていく彼女の背中を見つめながら俺は思った。


「本当に俺の事が好きでそう言ってくれているのかな……?」


 彼女がさっき話していた時。とても悲しそうだった。

次は16時頃に更新いたします。よろしくお願いします。


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