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183話:寂しさのあまりに

 リリィとサビの入れ替わり珍事件に巻き込まれたりした後、危うく酒に酔ったリリィにお持ち帰りされそうになり、サビの助けを受けて抜け出す事に成功し、


「次帰ってきた時は覚悟してなさいよねカリトくん!!!! 私、君とセッ「やめないか!!!?」ス‼︎ あっ、こら逃げるなぁ‼︎」

「やばいってサビ!!!? リリィが本気モード全開で追いかけてきてるって!!!?」

「あの人なんですの!?!? 人間なのにそうじゃない身体能力で私たちを追いかけてきてますわよ⁉︎ このままじゃモンスター牧場まで追いかけてきて、ご主人様があの人と交尾するハメになってしまきまいますわよ!!!?」

「サビの地頭の良さには感謝するよ……ははっ」


 リリィみたいに破廉恥な物言いはしてないからまだマシだよね? そう思いながら夜のボルカノの街を、屋根を伝ってニンジャランで走り抜けていっている。隣では俺に合わせてサビが走ってくれていて、背後からの追撃に備えてサポートしてくれている。今のところはそう言ったことをリリィはしてきてはいない。万が一に備えての保険だ。相手は酔ってるからなぁ……。リリィはお酒が回ると人一倍に感情的になって理性のタガを外してしまうところがあるからだ……。滅多に見ないけどね。


「やっぱリリィもネメシスの組織の一員ってこ所だな!」

「そんなこと言われちゃったらますます体が火照ってしまうじゃない」

「前言撤回! ならないでマジでお願い! 明日は色々と忙しいから無理だってば⁉︎」

「その口ぶりからしてご主人様。すでにあの人とはするべき事を済ませていらっしゃってるのです……か……?」

「恥ずかしいから無理‼︎ 誤解を招くからノーコメントで‼︎」

「やっぱしてるじゃないですのー! 私たち


 2人を相手に痴話喧嘩するのにメンタルがもたねぇ! マジで誤解を招く事になってますますややこしい事になってきたぞぉ⁉︎


 んで、この流れはなんと恐ろしい事に3時間も続いてしまって、流石の俺もニンジャランを使いすぎたせいで疲労困憊。後の2人も同様に疲労してしまい、結局のところ今日もといい翌日に持ち越してしまったが、俺はリリィとアレな事はせずに済んだ。


 正直に素直な話し。


「こんなムード台無しな流れでそういう事したくないわ‼︎」

「わ、私としたことがとんでもない過ちを犯してしまったみたいね……はは、ごめんね」

「俺たち付き合ってるけど。流石にこれを夕日の浜辺で男女が互いに追いかけ合うシチュに当て嵌めるのには程遠いって!」

「何となくだけど、カリトくんの言いたいことはわかるかな⁉︎ うん、確かにそうかもね⁉︎ 私、海とか見たことないから上手く想像できそうにないけれど。何となく思い浮かべて……うふふ、もういやん!」

「何を想像していやん、だよ⁉︎ リリィの頭の中にいる俺はお前に何をしてるってんだよっ!?」

「乙女の口から言わせようだなんて。カリトくんのエッチ!」

「リリィが言うのとサビが言うのとでは説得力の差が大きいと思うな!」

「ひ、ひどい!」


 と言いつつ詰め寄って、胸ぐらを掴んでくるリリィの怒った表情にびっくりする自分。本気でオコじゃないよね? そう思ってると、


「私だってやたら無闇にエッチな言葉は使わないわよ! 私がその言葉を使う時は。心の底から愛してる人にしか言わないんだから! 分かってよカリト! 貴方は私の事を避けようとしてるの? どうなのよ?」


 マジで怒っていらっしゃいました。うん、もうこれは認めよう。


「俺だってリリィといっぱい好きな事をしたいですよ。でも」

「でも?」

「今の俺に、リリィを抱ける資格がないんです」

「………」


 その瞬間俺たちの間に深い溝が出来てしまったような気がした。


「最初は嬉しかったです。でもあなたと肌を重ねてから愛してるって言う言葉を聞いて終わった時の後、疑問に思ったんです。僕は貴方に相応しい人間にならないといけないなって」

「……今の貴方も充分に魅力的だよ」

「それでも1人の男として。愛する人を守れる力を持ちたいと願っているんです」


 俺はただじっとリリィの事を見つめ続ける。すると、鋭い表情をしていた彼女が折れた。


「普通の女の子だったらそこでもう見限って別れましょうってなるわよ」

「うぅ……」

「当たり前よ全く……。でも、そいう頑固な所。いいえ、信念を貫こうとする君のスタンスに惹かれて君と肌を重ねる事にしたの。本当は嫌だったのかな?」

「いえ、それはないです。良かったと思います」

「わかったわ。ごめんね無理矢理に迫る事しちゃって」

「大丈夫です。焦らなくてもまだ僕たちはこれからたくさん愛し合う事はできると思います」

「本当はね。君があと少しでこの街から離れてしまうから。その辛さのあまりに温もりを求めてしまったの」

「リリィ……。成る程。それで積極的だったわけか」

「うん……。寂しいよカリトくん!」


 ぎゅっ、涙ぐむ声を側に力強い抱擁を受けた。そして俺はリリィと目を合わせて、共に目を閉じて口を重ね合わせようと、


「ご主人様! 私の事完全に忘れてませんか? オスとメスがそうする事はわかります。でも、私が居るのにお構いなくそうされると嫌ですわ! ふん!」

「ごめん」なさい」


 思ったらサビの割り込みで有耶無耶な感じになってしまった。

明日も予定通り更新させていただきます♪ よろしくお願いします♪


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