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159話:【傲慢】貴族街『ベイ・カジノ』その15

「カリト君しっかりして! ここで何があったの⁉︎」

「ご主人! 返事してくれよ!」


 俺が弱いって? 嘘だ……。俺はモンスターテイマーのサトナカ カリトなんだぞ?


「新人、返事をしなさい! 聞いてるの!! レアハンターズに何をされたの!!!! 言いなさい!!!!」


 俺はまだまだこれから沢山の力をつけて何者にも負けない最強の主人公になるんだと思っていたんだ……。

 それなのに俺があんなモブキャラに言われる程に弱いだって……?――ふざけるな!!

 俺は異世界から来たチート主人公なんだ!! 何が弱いだって? むしろあいつらはそう言わなければ自分ではいられないクズ共だ!! 俺は悪くなんかない、悪いのはあいつらだ!! 俺に勝負を仕掛けてきて負ける事をせず、あまつさえその場から逃げ出した奴らが悪いんだ!!


「ご主人様……お願いだから私達の話を聞いて……、ねぇ、どうして私達が目の前にいるのに見えていないの?」

「リリィ、これってまさか」

「私に似た精神支配系の天賦の才を使ってカリト君の精神を暴走させてしまったみたいね……。これがゼセウスの第一の能力……」

傲慢精神アロゲンス・ハックス……。どんな相手でも傲慢な性格に変えて破滅に追いやる邪神賦アンチの力。普通の人間なら精神崩壊を起こして自死するけど。神賦の才を持つ人間はその特性上、他の力を受け付けない。でも、例外はある」

「うん……。カリト君が彼女達との間に、私たちの知らない力で繋がっていたら。モンスターの彼女達には影響は及ばないけれど、彼女達が見聞きした言葉や景色はそのままカリト君に流れて共有されるわけだから」

「……神賦の才の力が未発達の新人には効果的面だったのね。硬い殻の中身は脆い。なんて事をしてくれたのかしらあいつらは!!」

「怒らないでレフィア。怒りは自分を見失う第一歩に繋がるわよ」

「わかってるわ、でも、この状況で冷静になれるほど私という人間は出来てはいないわよ!! あんたもそうでしょ?」

「……ええ、そうね。私以外の人間が気安くカリト君の精神を支配するだなんて万死に値するわ。……次あったら徹底的にやり返してやる、私の愛する人をこんな目に遭わせたクソ野郎共をぶっ殺してやる……!!」


 あっ、そうだ。あの野郎共をこっちからぶっ殺してやれば万事解決だ! みてろよゼセウス、お前の言った言葉がどれ程恐ろしいものかその身体と魂に教え込んでやるよ……く、く、く、ははははっ!!


――そうだ、それがお前の中に眠るもう一つの本能だ! さぁ、思いのままに自分を曝け出すんだ! お前の邪魔をする人間全てが敵だ。殺せ!


「なぁ、俺の邪魔をするのか?」

「カリト君! って、え?」

「ご主人?」「ご主人様?」

「……新人?」


 俺の望む返事をしなかった。邪魔者、敵対者、悪人共だ、殺す!


「リリィ、俺を愛してるか?」

「う、うん。愛してるよ?」

「俺の為に邪魔者を殺せるか?」

「カリト君をこんな目に合わせたゼセウスと、レアハンターズを私は殺せるよ?」


 あぁ、さすが俺の愛する女だ……。今すぐにでも俺の欲望を彼女にぶちまけてやりたい……!!――だが、それは俺の目的が完遂してからだな。


「リリィ。俺と一緒に目の前にいる邪魔者共を殺そう! そして俺と一緒にこの世界全てを支配しよう!」


 この力で俺は王になって、リリィは王妃にしてやるんだ! 


――そうさ。まずは王になるための最初の試練を乗り越えろ。手始めにそこのマンハントレディーを殺せ! 奴はお前の創造する世界の邪魔に他ならない脅威だ!!!! 殺せ!!!! 貴様の持つ力を使って、長年同志を苦しめてきたそこの女を殺すのだ!!!!


「感情共有!!!!」

『あぐぅっ!? あっ、頭がぁっ!?』『いっ、痛いですわ!!!? や、めてご主人様!!!! あ、だめ!!』

「リリィ下がって!! くるわよ、ゼセウスの第二の能力」

傲慢人形アロゲントドール……そんな……カリト君……?」

「何してるの!! 今の彼はいつもの新人じゃないわ!! あんたに言った愛の言葉はゼセウスが仕掛けた罠よ!!」

「罠……? 愛してるが罠……ですって?」


 ぁあ、さすが俺の愛する女だ!! 俺の為に前に出て盾になってくれるとは!!


「カリト君が言った言葉は嘘じゃない!! 例え操られて言った言葉だとしても、私はその愛に答えたいの!! レフィア、ここは私に任せて!! 必ずカリト君を救ってみせるから!! だから、今だけは耐え凌いで時間を稼いで……!!!!」




明日の更新は午前0時から1時の間になります。よろしくお願いします。


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