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154話:【回避】貴族街『ベイ・カジノ』その10

『よし、とりあえず隈無く探したがそれらしき人影やモンスターの姿は無かったと報告しよう。ひとまず警戒は解除だ』

『了解。直ぐに伝令に向かいます』


「見つかって撃たれる危険性は低くなったか……」


 だが、事を起こしてしまった限りは、相手も目を光らせて待ち構えて警備をするはずだ。早く変装に必要な装備を入手しなければ。とりあえずしばらくして足音が遠ざかっていったのを聞いて、樽の中から身体を出して表にでた。


「もういいぞ2人とも」

「はぁ~。もう寝てしまいそうだったぞご主人」

「寝るのにはまだ早いな」

「結構大事になってしまいましたわね」

「まぁ、そりゃあサビのモンスターの姿を見てびっくりしない奴なんていないしな」

「私的にはもっと逃げる以外にも、今からするなりすまし的な事をして、相手を騙せばよかったかもしれませんわ」

「俺がモンスターテイマーで、こいつは俺の相棒だから危害はないなんて言って信じてくれるかよ」


 そんな事をしても賭けに出るだけで損な結果しか見えてこない。だったら安全に行動のできるこっちの方がいいと思うんだ。


「いくぞ。もたもたしてても意味ない。早く俺達が目撃したエリアまで移動だ」


 時間を大幅にくってしまい、焦りを感じている中、俺は2人に急ぐことを促した。すると、


「なあ、ご主人。もう見つかってしまったんだしさ。屋根に登って移動しも良いんじゃ無い?」

「というと?」


 サンデーが何を思ってなのか屋根に登って移動することを提案してきた。


「うーん、アレじゃん。地面でコソコソやっているよりかは幾分早く移動できるんだし。時間の短縮にもなると思うぜ?」

「それ良いですわね。そうしましょうよご主人様」

「うーん」


 それで良い物なのかと疑問に思う……。いや、でもな……。頭の中でもの凄く悩む自分。


「先輩達の事で兼ね合いもあるしなぁ……」


 出来るだけ波風立てるなと言われていたしな。でも、結果的に騒ぎを起こしてしまったから怒られてしまうのは目に見ているしなぁ……。


「うーん、仕方が無い。今回だけだ。今からする行動は敵に見つかってしまい、その、離脱するための逃走行為で屋根を伝って走って移動せざるを得ない状況だったいう事態に陥っているという体でやろう」


 要するに建前で動いたことにすれば、先輩達も考え方を変えてくるはずだと踏んでの発言だ。だが、目の前で首を傾げてる2人には何を言っているのかが分っていないようなので。


「あー、そうだな。リリィ先輩とレフィア先輩には内緒だぞ? いいな?」

「おう……なんか難しい言葉だらけで意味分んねぇ……って思ってしまったが。ようはそういうことなんだな! わかった、そいう事でやろうぜ」

「あっ、おま待て!」


 俺の了解を得ずに勝手に先走り、サンデーは俺の背後にある建物の屋根に向かって跳躍して行ってしまった。


「いつもの事ですわよご主人様。頭より身体が優先して動くのですから」

「はは、まぁそうだよなあいつの場合は」


 直感で動くサンデーとは正反対に、落ち着いた様子で俺と話をするサビ。


「じゃあ、黙っていればいいですわね? もしくは忘れればでも?」

「そこは君に任せる。とりあえず俺は先輩達に余計な負担を掛けたくないんだ。その過程でこの事はとても大事なんだ」

「つまり、私とご主人様との間にある約束と思っていいのですわね?」


 なんか二度も似た事を繰り返し聞いてくるな……。なんだ?


「う、うん。と、とりあえず俺を屋根まで上がらせてくれない?」

「約束ですわよ。ちゃんとうんと答えてくれましたら手伝いますわよ」

「まじか……。あぁ、もうわかった。約束だサビ。今からする事は俺達の間の秘密だ」

「ふふ、分りましたわご主人様。じゃあ行きますわよ。捕まっててくださいね?」


 直後、人間の姿のままでサビが周囲に電気を走り巡らせて、俺はそのまま彼女にガバッと両腕を使って抱きかかえ上げられてしまい。ってこれって。


「なんでお姫様抱っこで持ち上げるんだよっ!?」

「この姿で持ち上げるってこれくらいしか思いつきませんわ。こんな所でモンスターの姿に戻るのは狭くて無理ですもの」

「いや、そうだけどよ……」


 彼女のペースに乗せられていく自分。なんかこれってやる立場が逆じゃね???? 


「ほら飛びますわよ。捕まっててくださいまし」

「うーん……」


 もやっとした気持ちを抱きながら、お姫様抱っこってなんだっけと定義について疑問に思い、俺はサビに抱きかかえ上げられながら屋根に登った。んで、


「おそいぞーご主人。下でなに話していたんだー?」

「お姫様抱っこってなんだろうな?」

「んなもん知らんって。いくぞご主人」


 俺とそのことについて話す気はないようだ。サンデーは俺より先陣を切って走り出していった。


「ま、いっか」


 わりかしどうでもいい事に頭を使ってしまったか。そう割り切る事に決めて、スーツの力を発動させて、


「ニンジャラン。しばらくぶりに使いますか」


 クラウチングスタートの姿勢になり、足に負荷を掛ける。すると負荷の掛かっている足からスーツの作用で力がみなぎってきたのを感じて、


「サビ。目的地までひとっ走り付き合ってくれ」

「お手並み拝見ですわね」

「よし、いくぞ。よーい、ドン――!!」


 思わずサビと屋根の上で徒競走をはじめた。

 

明日も予定通り更新いたします。よろしくお願いします!


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