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145話:貴族街『ベイ・カジノ』その1

「ひとつ聞いておきたい事があるローニン。この絵に描いてある女の子を見たことはあるだろ? その子はいまどこに居るんだ?」

「あ……その子はもしかして世にも珍しい人間の姿をしたモンスターですよね? ええ、兄が丁重な形でその子を扱っていたので。多分あの子の事ですよね? 名前はホワイエットだと兄から聞かされおりますが。何でも大物の貴族がその子を欲しがっているとかで私に話をしていたのでよく覚えておりますよ」

「ありがとう。そしてこの話が終わったらお前はそのことについての話は一切忘れるんだ。いいな? リリィ先輩。念の為に記憶消去をお願いしてもいいですか?」

「任せてカリト君。覚えられていても後で面倒な事になるし。この出会いも全て無かった。それでこの男は3日後に衛兵の詰所まで自首しに行って洗いざらい悪事を自白するように言い聞かせるわ」


 事務的なやりとりだけど。リリィ先輩には感謝しかないな。それで。


「じゃあ、その貴族街のカジノの名前と。そこに入るにはどうすれば良いのかについて話なさい」

「はい。カジノの名前は『ベイ・カジノ』で、会員制となっているのでお客様の場合ですと無理でしょう」

「そこにどうしても入りたいのよね。自由気ままに探索できるような特権のある形で私達を入れさせて欲しいの」

「分りました。では直ぐにプラチナビジネスカードを人数分作らせて貰います。私の紹介分と共に添えさせて貰います」


 一方的な流れだけど。交渉事は旨くいった感じだな。そしてしばらくローニンが席を外し。それから30分が経った所で彼が部屋に戻ってきて。


「お待たせいたしました。こちらでカジノに入場が可能でございます。どうぞ無くさないよう肌身離さずお持ちください」


 ローニンが恭しく差し出してきた4枚のプラチナカラーのカード。それぞれに俺達の名前が刻まれており、その横にはこの商会の名前が刻まれていた。立場的にはこの商会の役員という形で作られているのだろう。それをリリィ先輩は受け取って、そのまま彼の耳元に顔を近づけて、さっき話しをしていた内容を彼に吹き込む事をした。ボーッとした表情のままのローニンは彼女が話をし終えたタイミングでコクリと頷き。


「はい……私はこちらに降りますリリィ様の旦那様に多大なご迷惑をおかけいたしましたので。その詫びとして全財産を2日後にお譲り致しますと共に、3日後に身辺整理を済ませて衛兵の詰所にこれまでの犯してきた私達の詰みを自白させて頂くことをお約束いたします」

「えっ、ちょっとリリィ先輩!?」


 自白は分った。他の旦那様とか全財産を譲るって何してくれてんのっ!? なんか不味くないかなと思ってニコニコとしているリリィ先輩に問い掛けてみると。


「えぇ、だって。将来は君と結婚するんだから。あ、まだ婚約だけどね。どのみち君の事を旦那様って呼ぶんだから特段変じゃないよ? あと、こいつの財産は別に私達が着服する訳じゃ無いから。あくまで証拠品としてネメシスで保管するの。誤解を招いてごめんね」

「大いに誤解を招く事をしていますよ!?」


 ってデレデレとしているリリィ先輩に突っ込んだら。横からサンデーとサビが。


「喧嘩するか仲良くするかどっちかにしろよご主人」「私達に何をみせてくれているのですのまったく……」

「んんっ!? いやこれは彼女の間違いを正すためにやっているわけであって。お前らにそういったやましい事をするためにしているわけじゃないからなっ!?」

「まっ、さっきみたいな重たい空気が無くなったし。別にいいか」「ですわね」


 茶々入れて何がしたいんだよお前らと、思わず突っ込みそうになるのを我慢した。

明日も予定通り更新いたします。よろしくお願いします。


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