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139話:人材屋ロウニン商会 その1

 人材屋ロウニン商会。アルスから引き出した情報を元に、その商会があると思われる建物の所在を探し出す事になった。ターゲットはたった1人。人材屋ロウニン商会を取り仕切る男であり、ホワイエットを拉致した実行犯であるゼセウスだ。

 そいつの服装や容姿はメモに残していたので把握している。オリーブ色のマントに赤白の縞々スーツに金髪ショートの優男。ラミアさんにそいつの顔つきとかを聞けばよかった。アルスからも同じように聞き出せば良かった。とりあえず現地の人間に問い詰めてでも聞けばいいだろう。


「なあなあご主人」

「ん、どうしたサンデー?」


 人気の無い暗闇の街中を4人で歩いていると、サンデーが俺に小さく声を掛けてきた。そして彼女は珍しく真顔で。


「そのさ。私達の戦っている姿。どうだった?」


 つい30分前までやっていた事を振り返りたいのだろう。なので俺は率直に思った事を伝える事にした。


「まだ充分な能力の研究がで来ていない段階での試用と使用だったからな。今のところはアレでも人間相手に立ち回れているなら大丈夫だろうな」

「うん、確かに私も思ったかな。でも力を抑えて相手を倒すのってとても難しいなぁって思った」


 確かに彼女達は人間の姿をしていても元はといえばモンスターだ。普段の場合に限って力は元々より抑えられてはいるが。半魔化の場合だとそうはいかなかった。実際に初めての使用でアクシデントがあって――


「サンデー、サビ、あれを使うぞ! グリム直伝の半魔化の力で目の前のギャング共を蹴散らすんだ!」


 最初に訪れたギャング組織『アマンダ』と呼ばれる組織の攻勢は過激そのもので、こちらの人数より3倍多く12人で徒党を組んで、こちらが遮蔽物に身を隠して顔を出せない事をいいことに、容赦の無い銃撃による弾幕で奴らは圧力を掛けてきていた。


「なにか秘策があるのねカリト君! うひゃっ!?」


 リリィ先輩の頭上をスレスレに、銃弾がヒィュンという音と共に通り過ぎていくを目の当りにして、2人で一緒にタイミングよく驚愕の表情を浮かべてしまった。思わず大事な人が頭を射貫かれて死ぬ悲惨な展開を見てしまう所だったのを想像して、


「あ、あったまきたぁ……!!」


 怒りの表情を露わに撃ち返してやることを心に誓った。

 ライフルでは素早く応戦が出来ないのでリボルバーを使い、よくアメリカ映画で登場する警察官のような打ち方でリボルバーを両手に携えて狙いを大雑把につけて発砲を繰り返すと。


「ぐあっ――!?」

「くそ、アノスがやられたぁ!! 畜生ッ!!」


 応戦して放った銃弾が、S12短機関銃を所持しているタンクトップ姿のスキンヘッドの男に命中した。着弾箇所は銃を持っていた右腕で、痛みのあまりにその場で倒れて悶絶しており、しばらくするとその男は近くの仲間に運ばれて何処かへと消えた。死んでいないことを祈っておこう……。


「残りはどれくらいいたのかしら!?」

「ざっと4部隊くらいです! 組している人数は3人ずつで、今さっき当てた男を覗くと後は11人です! リリィ先輩、俺の代わりに応戦してください! リロード!」

「わかったわ! あまり銃の腕には自身がないけれどやるしかないわね」

「この拳銃を使ってください! デリンジャーだとこの状況では無理です!」

「助かるわ!」


 そう会話をしつつスイッチングで立ち回り、空薬莢の詰まったシリンダーを操作して新しい弾薬を込めていく。装弾数は6発。簡単な作業なのに不慣れな銃を使っている事もあってもどかしく感じる。ふと、隣にで同じように身を隠していたサンデーが。


「ご主人っ! もうモンスターに変身して戦った方が早いよ!!」

「ダメだ! ここで元の姿にでもなってみろ。俺達の作戦が公にバレてしまう!」


 それだけは絶対にダメなんだ! これはあくまで不正規の作戦だ。ネメシスが公式に関与している訳ではない。つまり。


「バレたら俺達はお終いなんだよ!」

「ご主人が何言っているか分らないよ!」 

「だ、か、ら! さっき話しただろう! 半魔化で戦うんだってば。それだったらまだ許せる」

「どうすれば戦えるんだ?」「そうですわよご主人様。さっきから怒っているばかりでちゃんと指示をしてくださらないですの」


 さりげなく俺の指揮能力に問題があると言ってきた彼女達の言葉が胸にグサッと刺さってくるのを感じ。


「グリムが言うには自分の半魔化の姿を頭の中で思い描け。つまりそういうことだ」

「それまったく説明になっていないわよカリト君!? そこの2人の頭の上にハテナがいっぱい浮いているわよ!! あぁ、もう全然弾が当らないわ!!」


 俺達の会話を聞きながら戦うリリィ先輩。凄い芸当だなと思いながら俺は。


「と、とりあえず……!? ぶっつけ本番になるけれど自分で考えて半魔化で変身してくれ!!」


 とごり押しで彼女達に指示を出してみた。するとサンデーとサビはちょっと嫌そうな顔をしつつ。


「うーん、私の思うハンマか……」「優雅でしなやかな姿がいいですわね」


 と思案をはじめたので。


「どうだ、いけそうか!? 出来れば早く頼むよ!?」

「じゃあ、いくねご主人」「いきますわ」


 と2人がそう言った次の瞬間。彼女達の周りに白い煙が立ちこめて。数秒後に煙が晴れるとそこには、


「グルルゥ……!!」「グォッ!!」


 半魔化を遂げたサンデーとサビの姿があった。間近で見るとなんか凄く怖い気がする。でもカッコいいな……お前ら……。

 明日も予定通り更新いたします。サンデーとサビが半魔化した姿を書くのがちょっと楽しみです。気に入って頂けたら嬉しいかなって思いながら想像を膨らませております。


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