122話:サビと一緒に街の探索 その1
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「ちょっと怖いですの……」
「大丈夫だ。俺に着いていれば問題ないからな」
「はい……」
サビと一緒にボルカノの街に出るのはこれで2度目になる。いままで彼女は一人で籠もることが多かったりして。それと俺の周りのゴタゴタもあって彼女とはあまりこういった機会を設けることが出来ずに今日を迎えた。
「服のサイズは大丈夫か?」
「私に服という物を言われてもあまり分らないですが……」
「ぶかぶかはしてなさそうだなうん」
今日のサビの服装はいつものと違って、白いワンピースと、鍔が大きいリボンのついた白い帽子と、黒のタイツに革のブーツの格好で出てきて貰っている。まぁ目立たない事を意識して上げてコーディネートしてみたのだが。
「綺麗……どこかのお嬢様かな……?」
「あの隣にいる奴……あれってサトナカの奴じゃねぇ? 美女2人に子供1人いるってなんだよ……?」
変な勘ぐりをしないでくれるかなそこの同業者さん!? こんど会ったらとっちめてやるぞっ!?
「皆さんの視線がやけに気になりますわね……」
「そやぁサビが美人だからだよ」
「びっ、美人ですって!?」
「慌てないの」
俺にそう言われて恥ずかしくなるのは分るが。掴んでいる腕に手で圧力を掛けないで欲しいかな。まぁ、他の子とも接するとなれたし。これは新鮮さがあるからいいか。そう思いながら隣同士並んで街の中を歩いて行く。
「平和だなこの街は……」
「平和ですの? ホワイエットちゃんがいないのに?」
「確かに俺達にとってはそうだろう。でもここの人達は違う。それぞれの日常があって。それぞれの生き方があって人生がある。全員が不幸な気持ちでいるわけじゃいから平和なんだよ」
「難しい事をいわれてもよくわかりませんわ」
「要するにここには争いがないということだ」
「争うのはどの生き物でも当然の行ないですわ。私が王女であるかぎり争いは絶えませんの」
「ちなみにサンダービーストってどんな争いをするんだ?」
「そうですわね……。縄張り争いとオス同士の戦いですわね。メスは孤独で女王様として生きております。そこに女王同士がぶつかれば争いがおこりますわ。そしてオス達は私達の伴侶になる為に戦いで競い合いますの」
婿入りで争って領土侵犯に対してメスが争うか。なるほどそれは勉強になるな。面白い習性をしているな。
「ちなみに夫婦になったオスとメスは王の座を譲り合うんですの」
「へぇ、というと?」
「つがいになったらオスが王になって縄張りをまもって。メスが子作りに励みますの。それで子供が生まれれば王の座をオスが譲ってその場から去って行きますの」
これまた変わった習性だな。
「オスは何がしたいんだ?」
「メスにとって邪魔だからとお母様からは教わりましたわ。至って普通の事ではありません?」
「うーん」
人間的にはちょっとなぁ……。生涯ずっと添い遂げるべきなんじゃないのかな? とは口には出さず。
「この話。もっと聞きたいけど。そろそろお前の言っていたホワイエットが教えてくれた最初の場所につくぞ」
「ここはなんですの?」
「ああ、ここはギルドの集会場だ。以前ホワイエットと一緒に来たことがあってな。多分あいつにとってここは思い出深い場所だったんだろう」
「そうなのですの。中に入ります?」
「ああ、ちょっとここで待ってくれるか?」
「いやですの……。一緒について行きたいですの……」
まるで飼い主に待たされる犬みたいな事を思って話すサビを前にして。ちょっと申し訳なさを感じ。
「ああ、だがちょっと面倒な場所だけどそれでもいいか?」
主に彼女の本能的な面で心配している。ハンター達の集う場所だ。密でいる所にこの子を連れて行くのは気が引けるのだ。するとサビが。
「大丈夫ですわ。絵の勉強にと思ってついて行きますの……」
ちょっと怯えもある感じだが。彼女の意思を尊重することにした。
加筆修正作業のお知らせ:本日の加筆修正作業範囲は1章11話だけです。改めて読み返して頂けるとありがたいです。次回の加筆修正作業は来週の土日になります。
明日も予定通り更新いたします。よろしくお願いします。
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