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120話:色違いのコンビ―結成その3―

 それからしばらくサンデーとサビと一緒に昼飯を食べ、その後は彼女達にはしばらく牧場内のどこかで昼寝をしておいてほしいと告げて人払いを済ませた。その目的はイリエと二人で話をするためだ。そして今、俺とイリエは同じテーブル席に対面に座っている。


「さて、うまい飯を食わせて貰って感謝するぜ。さっそくだが本題に入ろう」

「まて、その前に俺の話が先だ。俺の才能の力をなぜお前が知っているんだ? そんなの普通に知り得ない情報だぞ」


 アルシェさんも言ってた。俺の力は権力者には喉から出る程の1級品だと。全てのモンスターを統べる事の出来る神賦のチート。それはすなわち世界を支配する事の出来る力とも言えるらしい。正直今ある目の前の生活で一杯一杯なので興味ないが。そういう輩には価値があるのだろうな。

 そんな力をなぜお前が知っているのか問い質したいのだ。情報の出所が今のところ俺の知る限り限られているからだ。アルシェさん、グリム、ネメシスのメンバー。どれも疑いたくもない人ばかりだ。


「正直その話しに関して前もって言っておきたい。あんたの考えている関係者とは違う方向からの仕入れだとな」

「なんだそれ? つまり第3者。俺の知っている人物じゃない何者かが俺の力を知っているのだと言いたいのか? 回りくどいな」

「俺は人と会話をするのが好きだ。だからこうして遊ぶ。それくらいは察してくれよな」


 いや真面目な事聞いているのにそう言われても困るっての。それで。


「……つづけろ」

「ああいいぜ。この件に関して。最初はお前さんの事を調べ上げる為に行っていたことだったんだけどな。その時はお前の力を知らずに調査をしていたんだけど。そこに俺に依頼と言って頼んできたクライアントが現れたんだ。そいつがお前の力をざっくりと教えてくれたのさ。モンスター達を統べる王の力を持つ存在だとな。お前みたいなヤツが王だって? 俺から見れば笑わせるなって思ったさ」

「そんな簡単に俺にクライアントの情報を伝えてもいいのかよ」

「まぁ守秘義務が掛けられているし。ただクライアントからの要望で。この話しに関してはあえて喋っても言いと許可を得ているんだ。自分の存在を臭わせて何かしたいのだろうな」

「そのクライアントの名前は?」

「残念だがそこまでは」


 言えないのか? それともクライアントに名乗られずに引き受けたのか? いったいその返答はどちらの意味を呈しているんだ?


「わかった。とりあえず俺の力は王とかそんなのには使うつもりは毛頭無い。今の生活を満喫しつづけていきたいんだ。それに今はホワイエットを探さないといけない」

「もう6日近くになろうとしているぜ。まずいぞ。下手をすれば遠方の国に連れて行かれているかもしれない日数だ」

「…………ああ」


 イリエには言えないが。俺とホワイエットのつながりが少しずつ離れて言っている感じがしている。これもモンスターテイマーの力なのだろう。つながりのある限り俺達には言葉には表せない何かがあるんだ。その何かが無くなってしまった瞬間。その先にはきっと不幸な事が待ち受けているはず。


「力不足なのは正直否めないし自覚しているつもりでいる。人手不足なのがもの凄く痛いんだ」

「ほう」


 レフィア先輩という最強の上司がいない今。俺には出来ることが限られている。


「どうすればいいんだよ……」


 テーブルに身を預けるように伏せる。


「落ち込むのはやめておけ。冷静な判断が出来なくなるぞ」

「そう言われて平然といられるわけねぇだろ」

「……確かにそうだろうな」


 じゃあなんでそんな事を言ってきたんだって。


「だがな。お前の考えている事を借りて言わせてもらうが。お前にはまだ手段が幾つも残されている。その1つはどこにあると思う?」

「は?」

「単刀直入にいわせてもらおうか。目の前に力を貸してやりたいと思っているヤツがいるって言うことをな」

「…………え?」


 真剣な面持ちにじっと俺を見つめてくるイリエの姿からは嘘という言葉が感じられない。信じても良いのか……?


「本当にお前が俺の事を助けてくれるのか?」

「助けるじゃない。協力関係になろうと言いたいんだよ俺は。安心しろ裏で何かを考えているわけじゃない。俺だって善良な市民だ。人を攫ってこんな惨めな思いをさせていやがる悪党は許せねえって思っている。だから手伝うって言っているんだよ。俺のスキルがお前の願っている事に役立つってな」

「イリエ……」


 そこまで思って俺の事を……。そこで俺は変な勘ぐりを入れるのを止めた。


「……ああ。出来ればそうしてほしいな」

「分った。じゃあ今からホワイエットちゃんの捜索に出かけるぞ。そうだな……他に手伝えるヤツがいないか? 例えば鼻がよくきく動物とかはいるか?」


 イリエのやりたいことが分った気がする。犬みたいな動物を使ってホワイエットの痕跡を探したいのだろう。となると……あいつだな。


「心当たりはあるな。動物じゃなくてモンスターだけど」

「モンスターだって? あの子達以外にもいるのか?」

「ああいや違う。その2人の中の1人がお前が言っているそれに適任なんだよ」


 絵も描けて鼻もきくあいつだ。


「ちょっと待ってろサビを呼んでくるからここで待ってくれ」

明日も予定通り更新いたします。それとかねて加筆修正作業を2日掛けて執り行ないます。対象になるのは1章7話~(出来るところまで)です。更新時にどこまで加筆修正したかをお伝えさせて貰います。


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