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9話:サトナカと美少女の出会い。

 撤退してから10分後。ベースキャンプにあるツリーハウスの室内で突如現れて助けてくれた女性とつかの間の休息をとっていた。


「はぁ……はぁ……」

「大丈夫かい?」

「ええ、ちょっと怪我してしまいましたが……助かりました……」


 初めての事でドギマギしながらも心配を掛けてくれている女性に感謝する。目を合わすのが恥ずかしくて仕方ないな……めっちゃ美人やん……。

 

「あら、それは大変ね。良かったらこの塗り薬をつかって。痛み止めと自然治癒促進効果(大)の効能があるから」

「俺の為にこんなものを……いいんですか?」

「こまった時は差し伸べるのがハンターの慣習だよ。もしかして知らないの?」

「ええ、最近ハンターになったばかりの新人なので……。じゃあもらいますね」


 上半身の防具を脱ぎ、貰った塗り薬を使って身体――特に腹部を癒やしてみた。するとヒヤッとしたメンソールの感触と共に、ジンジンと痛んでいたのがしこりと共に柔らかくなるのを感じて気持ちよくなっていく。


「いい兆候だね。これでしばらく安静にしていればいいのだけど。無理そうかな?」


 黒髪のポニーテールに近代的な重装甲装備を纏う美女が首を傾げる様は、資質剛健の花瓶に繊細かつ美麗な花を生けたかのように例えられる……綺麗だ……。

 右手にはキャリングハンドルで吊り下げられたヘビィーマシンガンが握り締められている。それを見て思わず彼女が何者なのか察しがついた。


「あんた。上級クラスのハンターなのか……?」

「ええ、そうよ。私はギルドクランの『緋の与一あけのよいち』でヘビィーガンナーを担当しているミステルよ。よろしくね。えと君は……」

「サトナカ カリトだ。よろしくお願いしますミステルさん」


 ここは下に接しよう。クランに所属するハンターは個人経営しているハンターよりも社会的地位が高いんだ。ここで下手な言動をすれば自分の今後の活動に影響することになる。それにしても本当に大和撫子だ……。

 実用性のあるデザインの重鎧。銃はヘビィーマシンガンと呼ばれる弾幕武器。これが使いこなせるハンターが一人でもいれば確実に安定した戦いが出来る。

 ミステルさんのシュッとした顔立ちはマジで美人だ。無骨な装備とあいまって、その長い黒髪のポニーテールと整った顔が絶妙にマッチしている。それに声も透き通っていて聞き惚れてうっとりしそう……。

 なのでミステルさんの黒い瞳に見つめられると目のやり場に困ってしまうんだよ。


「それで、さっきのはどういう状況だったのかな?」


 俺は彼女に自分の事を話した。


「なるほどね。誰もが通る道よ。通過儀礼みたいなものね」

「そうなんですか?」


 話の感じ的にミステルさんも同じ体験を……?


「ちなみに私はあいつを5分以内にアサシンキルっていうアサルトライフルで倒せたから……。その……君みたいな体験をしたことがなくてね……。その時は兄さんも一緒だったし……。どうだった? あいつの……その……粘液攻撃は……」

「えっ、そっ、それは……凄く粘っこかったです……」


 ん? 何か変な流れを感じるぞ?


「ヌルヌルでしかもその液体は何でも溶かしてしまうんです……」


 俺はありのままに体験した出来事を説明した。話す度にミステルさんの口角がふにゃっと緩んでいくのは何故? 


「そっ、それはけしからない攻撃だね……はぁ……」

「本当にそうなんですよ……はぁ……。あと数センチずれていたら自分の顔が溶かされて無くなっていたかもしれないです……はぁ……」

「そっ、それは大変な思いをしたのだな……はぁ……はぁ……」


 お互いに別の意味でため息をついている状況なんだけど何……。


「なっ、なぁカリト君。その粘液の特質を詳しく教えてくれないか!? もちろんタダで教えてくれとは言わないぞ! 今日1日だけ自由にお姉さんと一緒にぱぱぱぱぱパーティーを組んもいいよ!!!!」

「ええっ!? は、な、せ、って!?」


 ガッシリと俺の両肩が彼女の手で握り締められる。なんという握力なんだっ!? 美人の皮を被った変態が目の前にいました。もしかして俺の異世界転生で初めて出会うヒロインがこんなのか……? 残念すぎじゃねっ!?

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