~第一話~ 旅立ち魔っした。
下手くそですが生暖かい目で暇潰し程度に読んでってくださいまし
ストーリーは長めです。
それではすたぁーと
俺は月明かりだけが頼りの薄暗い部屋に横たわっている
部屋の雰囲気は洋風で古くさく埃っぽい
そしてなんとなく落ち着くような懐かしい感じのような。
知らない場所の筈なのだがそんな気持ちになった。
?「―――すまない…」
突然月明かりが照らさない影から無精髭を生やした口元がそう呟く。
「だがお前はコレに選ばれた。お前は神に愛されたのだ」
そして直ぐに目も眩むような深紅に染まる強烈な光が迸り、瞬間、激痛が身体中を駆け巡る。脳を突き抜けていくような痛みに耐え切れずすぐに意識が遠退いていく
?「このコウ――は――で強大な―…そ―……――――……」
無精髭の男は何か言っているが聞き取れない。
必死で意識を保とうとしたがそれも空しく俺の意識は途切れた…
――――――――――――――
ガバッ
「っっ!!!!……って夢か……」
額に滲んでいた冷や汗を拭う
魔力で光る時計を見ると、目覚ましの時間までまだ一時間以上時間があった。
うーん。二度寝しようか悩む…とりあえずちょっと横になって考えよう。
さぁ…どうしzzよzzz……今日は特になんにzzzもzzzz……
……っは!いけない!今日は特に早起きなきゃいけない日だろ!!危ない危ない。しかもこのまま寝ていたら確実にこの魔時計の餌食になっていたな…
ま、それは毎朝の事か。
因みにこの世界はほぼ魔法で成り立っいてる世界なので勿論この時計も魔法の力で動いている。基本的には魔力の込められた核と魔方陣の刻印が施される事によって、それが動力となり動いたり光ったり物を持ち上げたりと様々な性能を持たせることができる。
そしてこの魔時計はセットした対象の人物が指定の時間になっても睡眠状態であるとベッドから強制的に弾き出すという危険な時計なのだ。
毎朝畑仕事があるのにも関わらず頻繁に寝坊をする為、強制的に置かれてしまった。
弾き出されてベッドから落ちるのは痛いが我慢すれば慣れるもんだ。
…いや、我慢するくらいならちゃんと起きろよ!ってね…というかこれに慣れた俺を凄いと褒めてやりたい。
と、しょうもない事を考えていると尿意が押し寄せてきた。
「よし。この時間なら誰も起きてないはずだろうしトイレ渋滞は起こっていないだろう」
と早速ベッドから降り部屋のドアを開けた
「おわっ!…なんだお前かよ。そんなドアの真ん前に立ってたらビックリするわ」
そこにいたのは腰ほどまである美しく流れる髪、まるで雪のような白い肌、そして吸い込まれそうな蒼い瞳。
勉強も得意で賢く、まさに才色兼備で完璧に見えるが実はちょっぴり天然でドジな所がある俺の幼馴染のシャロがドアの前に立っていた。
「あっおはよう!アル!そんなにビックリした?今日は色々準備しなきゃいけないから早めに起こしにきたの。それで丁度今ノックしようとしたところにアルが出てきたわけ」
「おはよ。そういう事ね。」
魔時計を設置される前からシャロが俺を起こしにきてくれる役を買ってでてくれていた。それでも起きない時があるのでお仕置きとして設置されたのが魔時計であった。
「でもいくら今日が引っ越しの日でも目覚ましの一時間前に起きるなんて…あのアルが…」
「…あっ!さては今日がここでの生活が最後だから寂しくて目が覚めちゃったんでしょー?」
そう、今日が10年間俺たちが住んでいたここ、アルバ孤児院を出る日なのだ。
俺もシャロも大量の犠牲者を出した最悪の魔戦争が終わり程なくして、俺は瓦礫の街をさまよっていた所を。シャロは川で溺れそうになっていた所を。同日に同じ救助部隊に助けられた。
そして二人して救助されるまでの記憶がほぼ無かった。だが唯一名前、歳、誕生日だけは覚えていた。
俺が『アル・オリオン』 当時五歳
こいつが『シャロ・アルテミス』 同じく当時五歳
その後、記憶が無いうえに俺達の身元が分からなかったので孤児院に預けられる事になった。
勿論、身元を割り出そうと頑張ってくれた。
だか記憶を戻す魔法、人を見透す魔法、色々試したがその魔法を阻害するような呪いがかけられていた。有名な魔法使いにも見てもらったが皆お手上げ状態だった。
で、仕方なくという感じだ。
でも今ではここに来れて良かったと心から思っている。
ここの皆とはケンカもいっぱいしたけどすぐに仲直りして一緒に遊んで、泣いて、食べて、笑い合って…
だからここを去るのは…ホントに寂しい…。
……だかしかし!今は緊急事態だ!
尿意の限界はすぐそこまで近づいてきていた。今はビックリした勢いで漏れそうになっている!
「まぁ、寂しい気持ちもっっあるけどもっ変な夢を見てッ!だからちょっとトイレ行くわ!」
「え?そんなに我慢してたの?というか、いつも言ってるけど部屋を出る時はちゃんとズボンを履い…て…」
「あ。そういやズボン履いてなかっ……」
その時二人の目線がパンツの隙間からこんにちはしている俺の分身に向けられた
色白の肌がみるみる真っ赤に染まりシャロは「もうっ!!兎に角ズボン履いて!荷物まとめて準備してよね!アホッ!」と言って部屋に戻っていった。
しまった…全然気付かなかった…
まっ思春期だから多少はね?と自分に言い聞かせつつトイレに急ぐ
――――――
ようやく最後の荷物が魔走トラックにに積み終わった。
俺たちはこのトラックで駅まで行き、そこから魔走列車で目的地まで向かう予定だ。
「ふぅ やっと終わったか」
「うん。これで全部ね」
「お前たちの荷物結構多かったの~10年分の思い出じゃな。ふぉっふぉっ」
アルバ孤児院の院長アルバ・シュトロームさん。俺達にとっては父親同然の人。
本当の親父みたいに怒ってくれて、愛してくれてた。
「うわぁーーん」「やだよーー」
「アル兄シャロ姉いかないでよぉ…」
孤児院の子供達が見送りに来ていてた
シャロはこいつらにとって母親みたいな存在で俺は一緒になってバカやってくれる兄貴みたいに思っていてくたようで、、、うん。泣きそう
でも無駄に強がって半泣きなのを誤魔化すように
「永遠の分かれじゃないから安心しろって!」
最後まで兄貴の威厳を守るのだ!とか思っていると
「グスッ…ぞうよ゛…ばた…会える…じゃ…ない…」
美人が台無しになるくらいグシャグシャに泣いているシャロを見ていると涙腺のダムが崩壊。
結局威厳などどうでもよくなり俺も一緒に大号泣
孤児院大号泣会の最中にふと仲の良かった1つ年下のあの子が居ないことに気付く
「グスッ…あ゛れ?コノハは?」
「ああ…あの子はまた来年お前たち二人と生活ができるからいいって結局部屋からでてこなかったよ。代わりに「待っててね!」って伝えといてと言われたよ」
「ハハ、 コノハらしいや…」
「ぞうね…グスッ…確かにあの子らしいわね…」
「うむ。そうじゃのぉ。でも口ではそう言っとっても声が震えておったわ……あっ……この事をワシがお前たちに言った事は内緒にしとってくれ。というか忘れてくれ。フォッフォッフォッ(汗)」
「ああ そうするよ。コノハはプライド高いし怒るとほんと怖いしな」
と、ほんといつもの院長のペースだなぁと少し落ち着いた。
「院長!俺達すげぇ魔法使いになってこの孤児院をもっと立派にでっかーーく建て替えてやるよ!!」
「…まぁ期待せずにまっとるよ」
「ホントに…ホントに…10年間ありがうございました!!」
「あ゛りがどう…ゴザビ…バジダ…!…」
シャロはまだ号泣してるがきっちりお辞儀した
「いつでも帰っておいで」
そう言って俺達二人を抱き締めてくれた。暖かくて、今にも壊れそうなガラス細工を包み込むように優しくて、でもしっかり守ってくれている。そんな気持ちになった。シャロを見るといつの間にか泣き止み穏やかな顔になっている。
きっとシャロも俺と同じ事を感じているんだな
しばし瞼を閉じて深い愛情を噛み締める。
――――――
――――
――
「「それじゃあ!いってきます!!」」
「「「「いってらしゃーい!!!」」」」
魔走トラックは走り出し、手を振る皆を置いてどんどん加速していった
更新はできるだけ早くうぷします。
多分一週間に1~2話程度。
もっと早く仕上がったらペースアップも視野に
よろしかったらまた続き読んでやってくださいまし。