『水めぐり』
もともと水は雨となって
天から降ってきたものを
溜めて使ったのが始まりで
「天水」といいました。
雨水は川となって
あるいは地面にしみて
井戸から汲めば「汲み水」
地面から湧けば「湧き水」で、
液体でありながら冷やせば「氷」
温めれば「湯」
それを冷ませば「ぬるま湯」
「湯ざまし」は、水。
水と油で「しっくりこない関係」で
流れに逆らえば「水が違う」と否定され
過去のわだかまりは「水に流して」丸くおさめる。
「水温む」は春になることで
梅の実の熟する頃に降る雨は「梅雨」
雨はもう十分、飽きた長雨「雨足りる」
一雨ごとに秋は深まって
秋の名残を惜しむ頃、
落ち葉を濡らす冷たい雨の「時雨」が降ると
紅葉を深く深く染めてゆき
日に日に北風が冷たくなって「氷雨」となって
いまにも雪が降り出しそうな
鈍色の空がひろがって、
雪空が初雪に変わる頃
風上から風に送られて飛来するのが「風の花」