音無 裕翔
少しグロいですm(_ _)m
今目の前の老人はなんといった?
イセカイテンイ?
何ですかそれは?
いや、意味はわかる…最近はやっているやつですね…二次元で!ですけど。
突然のことに頭を悩ませていると神から説明があった、まとめるとこういうことらしい
曰く、その【アデイル】では世界の危機とやらが迫っているらしく強力な力を持つ可能性があると言う異世界人を召喚しているということ
曰く、目の前の老人は【アデイル】を管理する神であること
曰く、召喚しているといっても無差別にしているわけではなく自分のように死ぬ瞬間にまだ生きたいと願った者や、この世界から消えたいと願っている者を【アデイル】に転生または転移させているということ
曰く、この転生や転移は無理矢理ではなく望んだものにしかしないということ、そして強制すればこの世界の神から協力を断ち切られるためできないということ
「…なるほど、話は分かりました。ですが、今の話からすると相当な人数がその【アデイル】とやらにいっているはずですよね?そこまでして集める必要があるのですか?」
『そうじゃのぅ、そこも説明せねばならんな…
先程も言ったようにあくまでも【異世界人が強力な力を持つ】かも、しれんのじゃ、絶対ではないからのぅ。それに備えあれば憂い無しというやつじゃよ。ところでそろそろ決めてくれんかのう?』
老人は笑いながら話を切り上げ、そして決断を迫る…
「…いくつか質問をいいですか?」
『よかろぅ。ただし、3つだけじゃ。答えたら決めてもらうぞ?わしもいつまでもお主を相手しておくわけにはいかんからの』
「わかりました。では、さきほど【強力な力を得る】といっていましたけどその力とはなんですか?」
『うむ、そうじゃのう…例えば魔の法則を書き換えることのできる力、いってしまえばマッチ程度の火を出す初級魔法をガスバーナーくらいの火力にできる力や大気圏から落ちても無傷になるように身体を強化する力などなどじゃな…まあ、英雄になれるような力を手に入れられると思えば良いわい』
…最後適当になった気がするが、まあ良いか
「では、もしその力を手に入れられなかった場合はどうなるのですか?」
『そうじゃのう…まずは向こうの【級】について説明したほうが良いかの…』
神から受けた説明をまとめるとこんな感じになる
【級】
級は【アデイル】に住むものなら持つもので、基本は四種類ある。
【王級】【貴族級】【平民級】【奴隷級】王が一番高く、貴族、平民、奴隷と下がっていくらしい。
また、【級】の中に階級や分類があり例えば【王級】でも【王級】(王)>【王級】(王子)といったふうに上が存在するようだ。
ちなみに【平民級】からは下に【奴隷級】がいるだけで別に【平民級】(冒険者)が【平民級】(商人)よりも序列が高いわけではなくみな平等なのだそうだ…
ちなみに【奴隷級】は(奴隷)しかないらしい
そして基本的には【級】は変更できないらしい…
【級】が変更になるのは【王級】の者などが任命することによりあがることができるようだ。例えば騎士として任命すれば【貴族級】(騎士)になったりできるようだ。
そして、さきほどの質問の【力】を手に入れられなかったものは基本的に【平民級】らしく平民として生きていけばいいとのことだった。
ちなみに【力】を手に入れた者は例外である【特級】となり【アデイル】を救うための戦力として【王級】が保護するらしい…それと…
頭の中でまとめていると声をかけられる
『そろそろ良いかのぅ?すまんが、わしも暇ではないのでな、考えるのはあとにしてくれると嬉しいのじゃが…』
まとめるのを中断し最後の質問を考える…
「すいません、では、最後の質問です
この世界での自分の存在はどうなるのですか?」
そこが一番重要なのだ先程は悲しみのあまり気がついていなかったが落ち着いてきたことで改めて考えたことは自分が【アデイル】に転移したとして、自分の扱いは行方不明となるのか?
それとも死んだこととしてあつかわれるのか?
だとしたら残されたものはどうする?
自分のことを裏切っていたとはいえ、この年まで育ててくれた親と幼い頃からともに育った彼女…あの人たちに対して僕は……まだ……
『葛藤しているところじゃが、そろそろ時間が来てしまうのでな、答えさせてもらうぞい?』
「あ、はい、お願いします」
『本来、この世界でのお主の存在は最初からいなかったことにもできるし、行方不明にも、死んだように見せることもできた…が、お主は今一つしか選べぬよ』
「え?」
『お主の場合はの、もう【アデイル】への門が開くからの時間がないのじゃよ…それにお主の身体はもうすぐ地面と激突するところじゃから都合がよいのじゃよ、まあ、でも向こうで転生させるから安心せい』
「は?転移じゃないんですか?」
『転移でもよいのじゃが…向こうで作り直すとなると保証はできぬぞ?それでも良いのか?』
「はい!僕は僕のこの身体じゃないと駄目なんです!」
『………そうか、分かったでは行くぞ』
「え?」
その瞬間視界が暗転し、自分の足元に様々な文字らしきものが書かれた魔法陣らしきものが発現する…
次の瞬間視界に写ったのは学校のグラウンドだった…
そして、僕は………
『グチャリ……』
頭から地面と激突し僕の視界は闇に覆われた………
こうして僕、[音無 裕翔]は死んだ………