第6話 亜衣と二人で
今の時刻は午前三時。
僕は不意に目が覚めてしまった。
「まだ、こんな時間か、もう一回寝直すか」
そう思ったとき、亜衣が寝ていたはずの布団に亜衣が居ないことに気づく。
「あれ? 亜衣が居ない」
僕は部屋から出て、亜衣を探す。
ホテルの中には居ないみたいだ。
「どこにいったんだ? 亜衣」
僕はホテルの外に出て、砂浜の方を探す。
すると、砂浜に足跡が残っているのを僕は見つけた。
僕はその足跡を辿って行くと、小さな洞窟を見つけた。
奥に行ってみると、人影らしき物を見つけた。
「亜衣、どうしてこんな所に居るんだ?」
亜衣は寝ているようだった。
「おーい、起きろよ! 亜衣! こんな所で寝てたら風邪引くぞ」
「うーん、何? もう朝?」
「違うよ! 何でこんな所で寝てたんだよ」
「あれ? 何でこんな所に居るんだろ?」
「覚えてないのかよ」
「よし、帰るぞ」
僕らがそこから出ようとしたとき、突然、大雨が降りだし、波が荒れ、嵐になっていた。
「何でこんなときに」
「そう言えば、天気予報で言ってた。今日の夜中から、昼過ぎにかけて、台風がくるだろうって」
「マジかよ。今はここに居るしかないな」
「うん、そうだね」
「でも、もし、この嵐がやまなくて、このまま遭難生活、何てことになったら、どうしよう」
「物騒なこと言うなよ」
「怖いよ、悠希」
亜衣は後ろから僕に抱きついてきた。
「何やってるんだよ、亜衣」
「お願い、このままで居て」
僕らは、何分、何秒、そうしていたのだろう。
「ねぇ、悠希。こっち向いて」
僕が振り返ると亜衣が僕に唇を重ねてきた。
「今、何を........」
「早めの誕生日プレゼントだよ」
僕はしばらくの間、身動きが取れなかった。
そのあと、大雨はやみ、僕ら二人は、ホテルに戻った。




