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僕らが探す過去の欠片  作者: 西村冬馬
3/8

第2話 覚えていないあの子

みんなが拍手を送るなか、僕は呆然としていた。


「じゃー、柚森さんの席は、あ!渡瀬君の隣が空いてるわね。柚森さんの席はあそこね」


「はい!分かりました!」


先生が僕の隣の空いてる席を指差した。

柚森さんが近づいてくる。

そして、隣の席に座った。


「渡......瀬?くんだっけ?これから、よろしくね!」


「......あ、あー、よろしく」


柚森さんは九年前と同じように僕にあいさつをする。


「おい、悠希。それはちょっと冷たくねーか、柚森さんに対して。あ、俺は柏田輝正!悠希とは中学時代からの付き合いなんだ。よろしくな!柚森さん!」


「うん!よろしくね!柏田くん!」


「私は芳野亜衣!私も悠希とは中学時代からの付き合いなんだ。よろしくね!柚森さん!私のことは亜衣って呼んでね。私も柚森さんのこと、若葉って呼ぶから!」


「うん!分かった!よろしく!芳......じゃなかった。

亜衣!」


「あのさー、柚森さん、九年前、僕たち河原で毎日、遊んでたよね?」


僕は思いきってその事を聞いてみた。


「どうしたんだよ!悠希、転校生には興味ないとか言ってたくせによ」


「輝正は黙っててくれ」


「そう......なの?ごめんね、その頃のこと、あまり覚えてなくて」


「そっか、ごめんね、変なこと聞いちゃって」


「ううん!全然大丈夫だよ!」


「もう授業始まっちゃうよ。先生がもうちょっとで来るから、静かに座ってた方がいいよ」


「そうなの?じゃ、またあとでね。渡瀬くん」


「うん、またあとで」


そして、授業が始まる。

授業中。亜衣がノートの端切れを渡してきた。


(どうしたの?九年前がどうとか言ってたけど)

と書かれている。


(九年前、僕と柚森さんは河原で毎日遊んでいたんだ。でも、柚森さんは覚えてないんだって)

と書いて亜衣に渡す。


亜衣がまた渡してきた

(へー、そうなんだ)

と書かれている。


(どうしたの?急にそんなこと聞いて)

と書いて亜衣に渡す。


(べーつにー、何でもないよ!)

と書かれている。なんとなく、不機嫌そうに見えるのは僕だけかな?


そこでちょうど授業の終わりのチャイムが鳴った。


休み時間、柚森さんの席に行こうとしたが......やはり、柚森さんの席の周りには人だかりが出来ていた。

そして、柚森さんはというとみんなに質問攻めされ、

対応に困っていた。今は無理かと思い僕は自分の席に着き、本を読み始めた。


昼休み、今日は輝正と亜衣と柚森さんの四人で、屋上に行って昼食をとった。


そして、今日も一日が終わる。



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