オープニング キラリ、行きます!
あるところに、魔法使いの女の子がいました。
「ねぇねぇ、キラリ」
髪の毛をツインテールにまとめた女の子が、もう一方のポニーテールの女の子に話しかけます。
彼女たちは友人同士。親友と言ってもいい間柄です。
「え? なぁに? ホタル」
親友から話しかけられて、無視できるはずはありません。
ポニーテールの子――キラリは振り返り、ツインテールの子――ホタルと向き合います。
さて、ホタルがどんな話を持ちかけてきたかというと……。
「知ってる? ここからずっと東のほうに、『黄金の塔』があるんだって!」
黄金の塔。
なんとも、うさんくさい話題を振ってきたものです。
「え~? うっそ~! ほんと~!?」
ほら。
ちょっと抜けた部分のあるキラリではありますが、いくらなんでもそんな話は信じません。
……と思ったのですが。
「黄金の塔! ゴールデン! 金ピカ!」
キラリーン! といった効果音がつきそうなほど、キラリの目はキラキラと輝き始めます。
「黄金の塔=財宝ガッポガッポよ♪ こりゃ、行くっきゃないわね☆」
拳をぐっと握りしめ、力強く言い放ちます。
「…………」
この反応には、話を持ってきたホタルですら引き気味です。
「善は急げだわ! さっそく行ってみよぉ~!」
キラリはどこからともなくホウキを取り出し、ホコリをまき散らしながら飛び立ちます。
目指すは黄金の塔。
彼女の目には、塔の中に眠っているであろうお宝しか見えていませんでした。
「す……素早い……」
あまりの行動力に呆然とするホタルを置き去りにして、キラリは黄金の塔へと向けて旅立ちました。
猪突猛進で考えなしの魔法使い、キラリの冒険が、今ここに幕を開けたのです。
はたしてどうなってしまうのやら……。
親友のホタルはさぞや心配していることでしょう。
「キラリ、行っちゃったな~。……ま、いっか。あの子が暴走するのなんて、いつものことだし。おやつでも食べながら待ってようかな。気が向いたら、あとで追いかけてもいいし」
…………いえ、全然心配なんてしていなかったみたいですね。




