ケインとラルゴの生きる道(5)
いつも感謝・感謝です。
ケインが語ります。
ブン!ブン!と振り回される曲刀を交わしながら、ラルゴが逃げ回っていた。
(ラル!危ない、よけろ!)
ケインは今身動きも取れず、声も出せなかったが、モンスターの胸の当たりから視界があり、周りの様子が見えた。2匹のモンスターの攻撃をアビリティを使ってかわすラルゴを見守っていた。
(何とか、何とかならないのか?)
アリーは水晶宮に封じられ、自分もモンスターに封印されている。
もしかしたらモンスターに意思が伝わるんじゃないかと持って挑発の言葉を投げ掛けたが全く反応がない。
(ラル!親友!信じているよ!)
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ラルゴが語ります。
正直これ程嬉しい事はなかった。そう思わずにはいられなかった。実はケインの思念は外に筒抜けだったのだ。
(それじゃあ、ソロソロ期待に答えますか!)
サイラスさんが突き止めてくれた2つ目のアビリティを発動させる。
「”マルチアビリティ・クラウド”!」
猫の姿で金色の角の方に突進して行く曲刀が猫の姿を切り裂くが何もなかったかのように振り下ろしたモンスターの腕をのぼる。
(雲に形無し、雲は自由!)
首の後ろに回り込んだとき、猫の姿をはライオンより大きかった。
あまりの事に銀の角の方は動きを止めていた。力無く崩れる金の角のモンスターの胸からケインが飛び出し、銀の方の懐に入る。
「ケン・ポー奥義どっかんと一撃拳!」
ケインの大技を受けて銀の方も崩れ落ちた。
ラルゴはへたり込む。
(これやると、動けなくなるんだよな〜。)
ケインが寄って来て拳を肩にぶつけてきた。
(きっと思考がただ漏れ状態だった事知ったら恥ずかしがってしにそうになるだろな。)
あとで教えてやろうとラルゴは思った…。