ケインとラルゴの生きる道(4)
いつも感謝・感謝です。
ラルゴが語ります。
ケインと共に気合を入れて、扉を開け放った。中は大広間でかなり広い、奥に2匹の大きな人型のモンスターを確認する。牛の頭をしていて、胸に紋様陣のようなモノが描かれている。パチパチ、と小さな拍手が頭上から響いたので見上げると先程の子供が浮かんでいた。
「よく来たね、此処まで来てくれなかったらツマンナイよね?」
(真面目にムカつくなこいつ!)
ラルゴは思わず睨んでいた。
「その目、気に食わないな!」
(⁈)
体がうごかない!隣でケインもうめいていた。
黒GMは両手のひらに炎の玉を作り出して動けない2人に打ち出した。
アリーちゃんが水の幕になって覆いかぶさる。黒GMは次々に火の玉を打ち出してぶつけて来る。徐々にアリーちゃんは蒸発し、薄くなり、やがて30cmの人形の姿になって倒れる。
「アリー!」
ケインが叫んだがまだ動けないため近くによることもできない。
炎の攻撃は止んだが、黒GMは降りて来てアリーちゃんに指を突きつけた、水晶玉のようなモノに取り込まれる。
「君がいると面白くないんでね。」
アリーちゃんが入っている玉を壁際に転がしてから黒GMは声をかけて来た。
「じゃあ、最後の戦いのスタートだ。せいぜい頑張って楽しませてくれ!」
金縛りが解ける、と同時に奥からモンスターが迫って来る。
2匹とも大きな方刃の曲刀を構えていゆっくりと近づいて来る。
ケインが金色の角の方を、自分が銀色の角の方のモンスターを相手にする。
「ラル!油断するなよ!」
「ケインこそ!」
気合いを入れるためにお互い言い合ったのだが、その後驚く事が起こった。
「”ラル封印”」
「”ケイン封印”」
何か引っ張られる力を感じたが何とかこらえた。だが、ケインはあっという間にモンスターの胸の紋様陣に吸い込まれてしまった。
「なっ!」
驚くラルゴにモンスター達はニヤリと笑って語りかけて来た。
「命拾いしたな、本名なら間違いなく吸い込んでやったモノを…。」
(オイオイありかそんなの!)
1人で2匹のモンスターを前に、ラルゴはちょっとどころではない危機感を感じていた。