水の精霊メイド(4)
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ケインは術師会館にいくに当たり、タチアナ師匠といくつかの決め事をした。
⒈GMと会ったのことは秘密にすること
⒉アリーはタチアナの遠縁の親戚とする、仕事を求めて王都にいるタチアナを頼ってやってきた、
⒊ケインに一目惚れしてしまった
⒋(上位紋様に)リライトしたことは、ばれたらいっても構わない
⒌トラップのことは報告する
⒍落ち着いたらラルゴには話す
と、このくらいである。
ケインが術師会館のフーバー老師の研究室でサイラスさんとラルゴについて聞くと施術用の実験室にいるということなので、実験室の方へ行って覗いて見た。
中ではサイラスさんが何かのスケッチを厳しい顔で見ながらブツブツつぶやいていた。ラルゴはベットの上で寝ている。口を開けているので、熟睡しているのだろう。
「サイラスさん、入っていいですか?」
一応聞いてみると、
「ケインか、いいところに来た。ラルゴを連れて宿に戻ってくれ。」
「ラルは?どうかしたんですか。」
「消去をかけた。デリートは時間がかかるのでつい先程までかかってしまった。」
首をコキコキしながらサイラスさんは答えてくれた。徹夜したのだろう、目が赤い。
「昨日はすまなかったとタチアナに伝えてくれ。」
「わかりました、それで師匠なんですが風邪をひいてしまって。2、3日ダンジョン探索を休ませてもらいたいんですが。」
「そうか、気の毒に。こちらも文献調査をするためにしばらくダンジョンはいけない。タチアナが回復したら連絡をくれないか?」
「ラルのアビリティわかりそうなんですか?」
「まだわからない。だが、…確かに、このライン、…どこかで見た記憶があるんだ。調べる時間が欲しい!」
サイラスが昨日の報告はまた後でいいというので、ケインはそのままラルゴを背負って戻ることにした。
(ラル、君への神のプレゼントはなにかな?きっといいものだよな。)
ケインは不幸の予感も良く当たるが、幸運の予感も結構当たるのだ…。