紋様術(11)
pv1万突破!感謝・感謝の感謝祭です。
ケインはタチアナ師匠から新しい紋様のレクチャーを受けてからパペット達と対峙した。
すでに慣れてきた相手なので、かもしれないが、
「まあまだな…、しかし負荷が小さすぎたか?」
「ゼーゼー、5体同時で負荷小さいってどんだけ?」
ケインはタチアナ師匠に答えると、そのまま床に伸びてしまった。酷使に耐えきれず、身体がプルプルを通り越してガタガタしている。
「よくぞ説明だけで使いこなせたものだ。やはり部分制御はお前に相性がいいようだ。」
タチアナ師匠のレクチャーによると、ブーストの力の一部だけを強化(?)する紋様追記をしたのだという。
「”強くなる”ために紋様を描くのではない。紋様の主要な機能は、授かった力を”拘束”することだ。制御出来ないアビリティは暴走することさえあり得る。紋様を描くことでそれを制御し安定化を促す、その結果行えることが多くなるので、”強く”なることができるのだ。今回は、身体強化の戒めを”俊敏性”と”耐久性”のみ緩めたわけだ。飛躍的にスピードがアップしただろう?」
確かにお陰で、相手にまともな攻撃をさせずに撃破できた。身体はボロボロだが。
「まあ、今日はこのくらいで許してやろう。帰るぞ。」
タチアナは、どこぞのいじめっ子のようなセリフを吐いて帰り支度を始める。
「はーい、あっサイラスさんには何をいったんですか?」
「ラルゴのもう一つのアビリティ解析のヒントをな。」
「やっぱり!師匠はもうわかったんですか?ラルのアビリティ。」
「さあ、サイラスの結果を…!」
出口方向に歩き出したところ、2人の足元に変な紋様陣らしきものが浮かんだ。
「いかん!トラッ」
師匠の叫びが中断されるのを聴きながらケインの意識は途切れた…。