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紋様術(1)

今回の話では、ようやく紋様術について掘り下げる予定です。

ケインとラルゴは全力で走っていた。ララカルの街中心部の街並みは、流石に観光地でもあるので整っていて走りやすい。

「アビリティ発動!」

全力疾走するラルゴ(犬)に普通では追いつけないので、”身体強化ブースト”で加速する。追いつく、と思ったらラルゴ(犬)は犬ならばともかく人間では狭くて通りづらい建物の隙間を通られた。また見失ってしまう。行き先はわかっているので出現ポイントを予測して移動すると、大通りに出たところで発見した。急いで後を追うが目的地点へ先に到着されてしまった。

「…ゼーゼー、また、負けたあ!」

「…ゼーゼー、へへ、じゃ荷物、出してくれよ、ケイン。」

ケインが預かっていた荷物に異常がないことを確認してからラルゴに渡した。

「(コンコン)お届け物、です。」

目的地点、つまりお届け先である家の玄関で、受け渡しの言葉を交わして受領書をラルゴが受け取った。

「「有難うございました!」」

2人でお礼をいって帰りはジョギングのスピードで帰る。

「アレはズルだろ!」

「ふふ、勝利の女神は俺の方が好きなのさ♪」

「ゼンゼン意味不明!」

いつの間にか、全力で追いかけっこしながら依頼を果たした後でも、会話をしながら帰れるようになった。”特訓”の成果が出て来てはいるのだろう。

そう、自分たちに”遅咲きのすずらん亭”の先輩達は”特訓”を命じて来た。

”配達のクエストで体力強化!”である。ただし、鬼ごっこで。負けると(ここでは到着までに捕まえられないか、捕まった場合)サララさんの恐ろしいペナルティが待っている。受領書は勝利者の証しだ。もちろん品物を壊したりしたら弁償プラス二人ともペナルティだ。

何件かの配達が終わってからパーティーハウスに帰り、鉛板を仕込んだ服を脱いで水を浴びて汗を流す。この前まではサララさんお手製の”砂の服”を着せられていた。この鉛板服は、砂が縫い目から出て来て非常に着心地がわるかった砂の服にクレームを付け絶版にしてもらった代わりに渡された新作である。…夜なべまでしたらしい。

サッパリしたところでパーティーハウスの共有フロアに入るべく扉を開け…閉めた。

「ラルゴ、逃げるぞ!」

「どした?」

「蜃気楼がいる、それに見てはならない悪魔契約の場面を見てし、ぼへぇ!」

扉が勢いよく開けられ吹き飛ぶ。

「待ってたのよ♪はやく。」

笑顔のサララさんが2人を招き入れる。

「目の錯覚から蜃気楼になったか…どうやら本気で私の治療を受けたいらしいな…、第一蜃気楼が”いる”では言葉的に致命傷だ。」

王都に帰ったはずの紋様術師のタチアナ師匠がそこにいた。服装は、またもやアルパカ40ナイツの制服であった。

「お茶目なジョークですよ。それよりその格好は?それとさっきの重そうな巾着袋はなんですか。サララさん!もう受け取ってましたよね今、師匠から。」

やな予感しかしないが聞かないわけにもいかない。

「そうよ、ハウスクエストよ。2人をご指名でね♪」

ラルゴと顔を見合わせた。

「ケイン今度は…逃走の掛け声は扉開ける前にしろよ。」

それは無理だろと思いながらも、自分もそうしたかったと思うケインであった…。


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