ラルゴの初クエスト(5)
総合ユニーク1000突破しました。
本当に本当にありがとうございます!
女の子達が到着する日のお昼過ぎ、ラルゴは井戸水で軽く汗を拭いた。貴族の2人は宿に帰って風呂を浴びたり着替えたりするそうだ、おめかしするのだろう。2人のオシャレ能力は高いのでラルゴとしても今後の参考にできるだろう。
夕方には明日の狩猟のための打ち合わせがあるため、ルーク師匠はその準備で忙しい。ラルゴは1人で暇を持て余していた。
公園のベンチで修行の一環で鳥を見るがなんとなく女の子達が気になって集中できない。
(貴族の女の子ってどんな格好なのだろ?仕事だから服装は選べないけど田舎者って見られないかな?)
女の子の前では度胸があるラルゴではあるが、自分に絶対の自信があるわけではない。それでもケインと違って、”なるようにしかならないだろう”という性格な分だけリラックスした会話が出来る。
取り止めのない事を考えていると、公園に2人の女性が入って来た。若くてメイドの格好をしている。
(もしかして、貴族の女の子達の召使かな?)
1人と目が合ったので、和やかに微笑み返す。向こうも安心したのか声をかけて来た。
「こんにちは…あなたはこの村の人ですか?」
「こんにちは、この村のものじゃないよ。ララカルから来た冒険者さ、ラルゴっていうんだ、よろしく。ここに狩猟に来ている貴族様の手伝いをしに来てるんだよ。」
自分の仕事まで説明したのは、おそらくこれで何か反応が帰ってくると踏んだからだ。
案の定、2人は一度お互いの目を見つめあってから、最初に声をかけて来た子が、
「それはマドリー家かしら。私達は、マドリー家のご子息からご招待いただいたジノ家の召使です。」
「それは偶然ですね、ここへは?」
「早く到着したので散歩です。よろしかったらこの辺りを案内していただけませんか?」
…急に元気が出て来て2人に了承の回答を伝えたラルゴであった。