33/73
両手に花で初クエスト(4)
「禁忌、ですか?」
ケインは聞き慣れない言葉だったのでタチアナ師匠に質問をした。
「可能性が高い、というだけで確定できん。」
タチアナさんは三歩オーガに近づき、
「何時に質問をする。首を降って答えよ。」
オーガの木こりさん(仮)は頭を縦に降った。
「なんじは、神の祝福を受けて、アビリティを使えるようになった。」
コクリと縦に降った。
「汝のアビリティは動物などに変身することができるものであった。」
また、コクリと縦に降った。
「汝はそれを誰にも言わなかった。つまり王都へ行くのを嫌がった。そうだな。」
少し横を向いて、ばつが悪そうに首を縦に降った。
「隠れていろいろ変身していたのだろう。しかし、オーガに化けてたら元に戻れなくなった、それで困ってこんなことになっているというところか。おおかた、足はスキンヘッド猪にでもやられたのであろう。」
オーガの木こりさんは泣きながら首を縦に何度も振る。
「確定だな、”非自然体への変化による禁忌抵触”の状態だ。」
タチアナ師匠は今度は自信を持って言い切った。