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ハーティア上司

「いつも読んでいただいて、感謝!感謝!

今回のオープニングはアルパ40カナイツ・アメジストメンバーのシャイナが担当します。

今回の話はすずらん亭の看板娘サララの元彼で今彼に戻ったハーティアのお話です!」

ハーティアが語るお話です。


コンコンと扉をノックして、若手の職員は入室することを知らせ紅茶を載せたトレイをハーティアの上司の執務室に運び込む。

ハーティアの上司が紅茶好きなのは、皆に知られている。最もそれは自分が入室しやすくするためだ。

栗色の髪の上司は、目立たないタイプの中年男だ。ハーティアは上司の肩を軽く叩き、忍び込んだことを知らせる。

上司は、若手職員が退室した後、秘書官を用事言い付けて退室させる。

「ご苦労だったな、追加の仕事までさせてしまって。」

「お気になさらず…、3件報告があります。」

秘書官が帰ってくるまでなので、ハーティアは早速話し始めた。

「例のマルチアビリティの2人は予定どおり、誘導できました。今はすずらん亭にいます。ただし、問題がありました。」

「紋様がらみか?」

「はい、すずらん亭の冒険者の面倒をみている紋様術師は決して能力の低いほうでは無いのですが、ケインの方の紋様を描くことができませんでした。結局、もう一つの仕事のため同行してもらっていたタチアナ女史に描いてもらいました、内密にですが…。相手の紋様術師も長老には報告しないと言っていました。」

「当然だろうな、自分が無能だと報告するようなものだ。」

この王国の紋様術師は長老という各紋様術一門のトップが集まって成り立っている。今回の研究サンプル(ケイン達のこと)を獲得したのはフーバー老師で、話にでてきた紋様術師はその門下生に当たる。

「トランス状態にして行ったのでケインは気づいていませんがね、後、ケイン達のファーストミッションは直接見れませんでしたのですずらん亭いる既知に報告書を頼んでおきました、こちらです。」

報告書をみたとき、上司の目元が少し下がったのをハーティアは見なかったことにしてあげた。

「…苦労を…コホン、君には苦労をかけるな、いつも、いやまったく。」

会話を変えるため、ハーティアは次の話をした。

「…ええ、そう言えば少し気になることがあります。アルパカ40ナイツの介入を受けたのですが。」

「それについては、君に連絡できていなくて済まない。紋様術師達の方でフーバー老師が2人とも独占するのはズルいという話が出ていてな、結局リシェル老師が1人受け持つことになった。」

「…それは、…ルビーの指図でしょうか?」

「おそらくな、リシェルはルビーの紋様術の師匠ではあるが、ルビーの崇拝者だ。先日の査問会のことも当然話していたはずだ。」

当然これからはもっと介入があるであろう、すずらん亭はハーティアにとってかけがえの無い人がいる場所で最も信頼のおける場所なので2人を連れて行ったのだが。ルビーが相手では一筋縄では行かない。これは少し本気で調べる必要があると、彼の直感が告げていた。

「…次ですが、例のモンスターの封印は無事に終了しました。タチアナ女史が予想以上の実力の持ち主で助かりました、若手最高の実力者と最長老が薦めるだけあります。」

「丁度、貸しができたところだったからな。いい取引だったな。」

「…はい。最後の報告ですが…」

秘書官の気配が近づいてきたことを感じて、小声で早口に説明した。秘書官が入って来たところで、するりと外に出る。

「アチャチャ!」

後ろから、悲鳴が聞こえた。

(猫舌なんだよな…あの人)

結構時間が立っているはずだからかなりぬるいんじゃない?と心の中で突っ込みながらその場を去った。



ハーティア上司はいったい誰か伝わりましたでしょうか?

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