表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/73

祝!内定…いきなりクエスト(2)

暗い夜、ついに待っていたモンスターが姿を現した。デビルハンドという、人間でいうと肘から先の部分だけが地面かは生えたような怪物で大きさは3mを超える。

ケインは急いで松明に火をつけてデビルハンドの周りの地面に次々と刺して行く。夜なので明かりが必要なのだ。ラルゴはヨモモそうで作られるお香を入れた大きなカゴを持って走り回っている。そのお香の煙でモンスターを包み込みように風向きに注意して、そして声をあげた。

「準備OKです!」

4人の女性が姿を現した。

「「「「アルパカ40ナイツ・アメジスト!愛ゆえに只今参上!」」」」

全員、煌びやかな衣装に身を包み灯りを反射するような装飾品をつけている。そう、この4人の戦闘を夜でもよく見えるようにする為の裏方を務めるのが今回の2つの依頼内容のうちの1つだ。

アメジストメンバーは全員Aランクの冒険者で、リーダーをシャイナさんが務める。

シャイナさんが”飛翔”のアビリティで夜空に浮かび上がり戦闘は開始された、上空から戦況を見極め、全員に指示を送るのだそうだ。

デビルハンドは形を微妙に変えなが襲いかかる。あんな手に掴まれたらケインならその瞬間アウトだろう。5本の指も針の様に鋭く形を変えながら連続で4人を狙う。

そんな光景を、女性が少し離れたところから見ている。この女性は自分の見たモノを、聞いた音を、遠い場所に送る事ができる。今この光景はララカルにある巨大スクリーンに映し出されているはずだ。

モンスター退治をエンターテイメントにするイノベーションは凄いと思う。ただ、最初ケインはあまり気が乗らなかった。

しかし、アルパカ40ナイツの設立時の話を聞いて気が変わった。

男尊女卑の激しいこの時代、女性の地位向上の為に数人の女性がパーティーを立ち上げた。無力な女性の希望になる様に、差別に打ち勝つ力を得る為に人生と命を捧げた。アイドル活動による人気取りも、この命がけのショーも全ては女性たちの”未来”のため。

4人は派手なアクションを交えながらデビルハンドを追い詰めた。

「「「「4人の心を一つに!未来に輝きを!フォーティナイツ・アメジストスペシャル・ラブアクション!!」」」」

4人お攻撃が決まりモンスターは霧散する…(⁉)

体にきしむ様な痛みが走った…、思わず跪く。

4人の冒険者は整列して女性に手を振っていたが、女性が手を上げて終わりを教えるとその場にへたり込んだ。

ただ、シャイナさんがこちらに声をかける。

「少年達!その場で横になってじっとしていなさい。高レベルモンスターを倒した事で大量のSCMを浴びたからあなた達ではきついはずよ。」

ラルゴも座り込んでいる。ケインはゆっくり仰向けに転がり空を見上げた。

(本当の強さって行ったいなんなんだろう。僕は強くなったら何にその力を使うのだろう。)

…体の痛みではなく、心の痛みを感じた。今夜は眠れないかもしれないとケインは思った…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ