ララカルの街にて…冒険者業に就職(6)
地面に寝そべって、ケインはラルゴと空を見上げていた。
「ラル、空は広いな…」
「ああ…ケイン俺はな、海にでてみたいんだ。そしてどこまでもどこまでも遠くへ…」
「…現実逃避しているとあっちの世界にご招待ですわ♪」
2人とも全力で転がってモーニングターの攻撃を回避した。サララさんはモーニングターを自在に操る。起き上がったところで反撃を試みるも2人同時に吹き飛ばすされる。さっきから同じことの繰り返だ。
またもやケインは無様に地面に打ち付けられたが、今度のラルゴは違った。
猫に変身してひらりと着地したのである。
(アビリティを使いこなして来たな。)
そうケインが思ったとき、信じられない速さでサララさんがラルゴ(猫)の元へと向かい拘束した。
「キャ〜可愛い!!」
ラルゴはサララさんにキュウと抱き締められ…白目を向いていた。
「一人脱落…かな?」
”キン!”
上空で何かの音がしたので、自分の存在を完全に忘れたように猫をハグするサララから視線を外し上を見上げた。
(空を飛びながら、誰かが戦っている!)
2人の人物が見えた!そのうちの一人が吹き飛ばされてこちらの近くに落ちてくる。
そのままでは地面に激突してしまう、と感じたケインはアビリティを発動して落下点へと走った。
(気を失っている…ヤバイ!間に合うか!)
さらにスピードをあげることをイメージする。
だが、
(ッ!間に合わない!)
ケインが諦め掛けたその時、視界にもう一人の人物が入ってきた。
ケインを追い越しながら目線を合わせて来た。そして、落下する人物をすくい上げる。
またケインと視線を合わせる、その意味をケインは理解した。
(勢いを殺し来れていない!僕がしたに⁉)
勢いを殺さず落下点に到着、そして、女の子をお姫様抱っこしている女性をお姫様抱っこして、…アビリティで強化した筋力で受け止める。
「ありがとう、少年!。私はアルパカ40ナイツのアメジストメンバーです!これからもよろしくね!」
なにか、お礼?自己紹介?の仕方に疑問を感じてケインは返答に困ってしまった。