表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/73

ララカルの街にて…冒険者業に就職(2)

カンカンキンキンと音が響く。

早朝、2人はハーティアさんに剣術の指導を受けていた。

二人掛かりで切りかかって行っても全然平気で、逆に切り返される(ハーティアさんはわざわざ歯を潰した練習用の剣を用意してくれていた)。

(Aランクの冒険者って、すごすぎ。)

「剣はこのくらいにしましょう。次はアビリティを使って全開で来なさい。」

ハーティアさんは剣を置いて木でできた短剣を持って構えた。ケインも短剣にする、こちらは本物だ。

「ラルいくよ、アビリティ発動。」

ハーティアさんの正面に高速で移動し左右に動いて攻撃のタイミングを探りながら隙を作ろうとする。

と、後ろからラルゴ(犬)が噛み付こうとするがハーティアさんは振り向きもせずによけて拳骨を下ろす。

「(ゴツン)はい、脱落。バレバレだよ…。」

(自分が気を引いて、ラルが奇襲。悪くないと思ったけど…。相手が悪すぎ。)

ケインはさらに早く動くことをイメージして側面から攻撃を仕掛ける。

ハーティアさんの左拳がケインの顔に伸びてくる。かわして懐にはいった。

「おごうっ!」

何が起きたかわからなかった。何時の間にか地面に這いつくばっている。ハーティアをみると攻撃したままの姿勢で止まっていてくれた。膝蹴りを顎に受けたようだ。

「あんな誘導に、引っかかっちゃダメだよ。」

手をヒラヒラさせながらレクチャーする。

「これがSCM(※)。大いなる過去との連環記憶、王国がアビリティ持ちを冒険者になることを勧める理由だ。」

2人はに罰としてスクワットを指示しながら話を続ける。

「過去の遺跡、ダンジョン、過去の魔法文明が作ったモンスター達。それらに長年、接することにより科学でも魔道でも説明のつかない身体能力の成長や知識が身につく。

たとえアビリティ持ちとて、これを得た者に相対すれば勝つことは容易ではない。」

ラルゴと目を合わせてみると、同じことを考えているとアイコンタクトで返して来た。冒険者として十分な実力をつけるのは、はるか彼方、先の先、長いな~と実感した。

「ちなみに昨日のパーティーハウスからは採用を見送るって連絡が来たからね。」

とどめを刺されました。

※SCM:スーパー・チェーン・メモリー

ゲームでいうところの経験値を表現する苦しい言い訳。本来SCMはサプライチェーンマネジメント(材料の生産から需要・購入に至るまでを一つのチェーンにみたてた経営・管理の一手法)の略語

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ