テストでデットorアライブ(6)
「ぼくのことはGMってよんで。ルールをせつめいするね、いまからこのだんじょんふぃーるどを2つにわけてそれぞれ1たいずつパペットをよういするから。さきにたおしたほうがかち!しつもんはないね♪」
ニッコリと笑いながら神?のような子供は一方的に説明を始めた。
そしていきなりケインの方を指差して、
「…と、そのまえにきみはジャマだからたいしゅつ♪」
ポン⁉と音がして振り返ると、ケインの後ろ三歩ほどの位置に煙が上がったのがみえた。
「今誰かの人影がチラッと見えたぜ。」
見える位置にいたラルゴがケインに説明した。
「じゃ、よういするね♪」
と言って子供がポン⁉と煙になって消えた。
静まり返った空間で2人は目を合わせた。鏡でみれば、今の困惑した顔はお互いそっくりだろうと思った。
やがて、フロア全体が大きな音お立て始めた。一番外側の壁以外、壁という壁が床面に吸い込まれてなくなる。あちこちにパペットが見えたが皆、出現したときと逆に床面に沈んでいった。
もの凄い広い空間ができあがったと思ったら、今度は逆に床から50センチ角のキューブ(立方体)がドンドンとせり上がって来た。空間を2分する壁とランダムな位置に小山(こちらは適度に配置された障害物だと思う)が出来上がって来た。
「うわ⁉」
いきなりケインは煙に包まれ、気が付くと見たことの無い場所に立っていた。4つある壁面の1つがキューブで、今まさに完成しつつあった。
(反対側に転移させられた?アビリティ!ダメだ間に合わない!)
全力で向かうものの、到着する直前に壁が完成してしまった。
(じゃ、スタート♪)
どこからか声が聞こえた直後、床の一部が発光し始めた。先程倒したパペットが現れたときよりはるかに大きな範囲が…。
(さいごにルールのせつめいをもうひとつ、さきにたおしたパペットのところにだけ、ちじょうへのかいだんをよういするからね♪)
「ッ!ラルー!!」
ケインは向こうに聞こえないと、届かないと思っても、叫ばなければいられない気持ちだった。