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ケインがキライだった日(1)

新しい年を祝う祭りで、村の広場は賑わいをみせている。あちらこちらで大人達も子供達も楽しそうにしているのが...ケインにはなんとなく面白くなかった。ケインはその日が嫌いだった。

この世界"アートフィル"では神々や精霊が新年を祝うこの日に特別な"何か"をプレゼントしてくれる、と言われている。誰に何をくれるかはよく判らないらしい。しかし、何かを授けてくれるのは決して嘘ではない。この村にも1人授かった者がいるのだから。その人は小柄な女性だが、村一番の力持ちだ。

「よう、ケイン。お前は食わないのか?」

後ろから声がかかった。振り向くと自分と同い年のラルゴが焼き鳥の串を数本持って近づいて来た。一本をケインに差し出す。

「サンキュー、ラル。」

串にむしゃぶりつく、村特性のタレがなかなかだ。ラルゴは亜麻色の髪をしている。甘いマスクと人懐っこい性格で同年代の女子からおばちゃん達にまで人気がある。ケインは黒に近い灰色の髪で顔は悪くない方だと思っているが、女子にはさっぱり縁がない。ラルゴ曰く、"目じから"がハンパでないとのこと。ようするに目つきが悪いということなのだろう。

「今年こそ、"アビリティ"貰えるかな?15歳で貰えるとすんごいらしいからな〜、俺たちスペシャルイヤーだよな、今年は。」

"アビリティ"とは神々などから授かる力の通称である。そしてラルゴが言ったことこそがケインがこの日を嫌っている原因であった。


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