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利己主義勇者と良き魔王 【序】  作者: 雪祖櫛好
第一節 少年と魔王
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第一節 -11- 魔王は……

「……魔王様。出撃許可を」

 ピーピリープリーが抑えに抑えた声を発した。

「ならぬ」

「何故、ですか?」

「今向かうのは危険だ。エレクトロを倒したと言うことは、エレクトロの魔力を得たと言うことだ。エレクトロを倒したほどの者が、そのままエレクトロの魔力を得たのだぞ? 貴様は、それに勝てると申すのか」

「それはっ……!」

 ピーピリープリーが悲痛な声を発し、それに魔王は平坦な声で、

「必勝ではないのならば不戦。故に、貴様の出撃を許可することは出来ぬ。解るな?」

「解り、ます。ですが、今だからこそ、とは考えられないでしょうか?」

「ああ。だが、エレクトロの死を無駄にすることは許さん。あれの死によって、少しこれからの方針が決まった――シャム」

 魔王が呼ぶと、シャムが何処からか出現する。

「何でしょうか?」

「招集だ。将軍を呼べ」

「何人でございますか」

「全員だ。エレクトロが死んだ今、だからこそ、解ったことがある。故に、全員招集しろ」

「御意」

 シャムが消えた。


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