2.最近あったこと、友達ができた
転生から2年と少し経ちまして現在2007年4月11日です、皆様いかがお過ごしでしょうか?
オレこと茶屋道 春が小学校に入学して2週間ほど経ちました。
別に受験がいる私立や国立の小学校とかではなく、前世も通った自宅近くの小学校です。
遊ぼうと誘ってくれる子も何人かいる中で、運動音痴のオレは中々彼ら彼女らの底なしの体力についていけません。
多分、いずれ『アイツと遊んでもつまんねーし別のことしようぜ』と徐々にはぶられていく事でしょう。
そして男子のスカートめくりの被害に遭う事でしょう。
母さん………ママの趣味でスカートをたくさん履くので、まず間違い無いですね。
それで、学校といえば勉強や宿題ですが、そっちは大変につまらないモノで、まだまだ入学してすぐだから、ひらがなを覚えたり、1+1をやったりと仮にも前世で大学を出て20年近く社会人として生きていたオレとしてはできて当たり前のことばかり。
暇なので、ひらがなドリルの端っこに落書きで絵を書いてみたりしています。
家では10分もかからない宿題をさっさと終わらせた後はパラメーターを振った才能を伸ばすための特訓をしたり、録画した深夜枠のアニメを見たりしています。
去年は『涼宮ハルヒの憂鬱』があって、オレが録画したのですが、どうやら父さん………パパも見たようでどハマり。
日曜朝のヒーロータイムでの特撮なども含めてしっかりと大画面で見るためにブラウン管からの液晶テレビへの移行がありました。
今季は『らき☆すた』が一昨日から始まり、パパとそれから元々オタク趣味だったママも一緒に家族3人で並んで見ています。
その他のめぼしい出来事といえば………
・去年の10月にYouTubeがGoogleに買収されて世界一の動画サービスサイトの道を歩み出した
・同年12月にはニコニコ動画がサービスを開始して、オレは極限の集中力と迅速な入力で見事に戦争に打ち勝ってID10006(β)、つまりは一桁IDをゲットした
・初代である『ふたりはプリキュア』とその後継の『ふたりはプリキュアSplash☆Star』が終わって、完全新作の『Yes!プリキュア5』が始まった
・我が家にWiiとかDSとかPSPとかがやってきて、家族でマリオとかポケモンとかモンハンとかやってる
・オレがピアノとヴァイオリンのコンクールで優勝した
・今年の8月には初音ミクが発売されるから、4月が誕生日だけど誕生日プレゼントを待ってもらってる
・初音ミクに歌ってもらう曲を作るためにパパが趣味で元から使ってた楽曲作成ソフトを使わせてもらったりしてる
などなど、まぁそんな感じだった。
正直、前世と比べたら暮らしが全然違うのだ。
なんか前世よりもかなり裕福だし、前より夫婦仲もいいし、なんなら両親揃って趣味も人間性もほぼ違うというか………。
前世では今世のオレが生まれた2000年頃にはとっくに両親は死んでたはずなのだ。
………少し辛気臭くなったな。
話題を変えるが、オレのこの2年での成長は、ポイントを振った才能に目を向ければ明らかに同年代のそれとは思えないような突出した実力を持っていると言えるだろう。
楽器演奏のコンクールなどは今のところ出た全て優勝して、あんまり大会を荒らさないように出場を遠慮してる。
その代わり、自分で作詞作曲して楽曲制作ソフトであとは声を入れるだけの曲もそれなりに溜まってきているし、絵もおそらくだけど現代に比肩する存在はいないといっても過言ではなくて、絵柄だって2000年代〜2025年のモノまでいろいろ使い分けることもできる。
他にも自作フィギュアやコスプレ用のアイテムの造形だとか、後々発表されるであろうMMDに向けての3Dモデリングなんかにも手を出してたりする。
今のところ順調に腕前を上げていて、成人する頃には最強の創作者としての地位を築いていることだろうな。
そんな向かう所敵なしなオレも、両親には金銭的に大変に助けられているのが現状だ。
一応、小学1年生にしてすでにネット上での創作活動も始めているとはいえ、この時代はインターネット上の活動がお金になりにくい。
色んな習い事の月謝とか、楽曲制作ソフトや3D制作ソフトもバカにならない値段がする。
それでもお願いすれば二つ返事で了承をくれるのだからありがたい限り、余り好きな言葉ではないけど親ガチャなら大当たりだな。
勝ったなガハハ、風呂入ってくる。
◆◇◇◇◆
実は主人公はパラメーター振りしませんでしたが、魔法という項目がありました。
主人公がパラメーター振りしなかったので、この世界線は魔法のない世界になりました。
1でもポイントを振ってたら、現代にダンジョンが現れて7〜8億人くらい死ぬところでした。
◆◇◇◇◆
月曜日です。
祝日とかじゃ無いので普通に登校日です。
土日は両親揃って休みだけど、オレはピアノを含めたいろんな楽器のレッスンがあるので基本的に外出とかは無い。
せいぜいが映画を見に行ったりする程度で、オレ自身が遊園地に興味がないので、そういう所はオレが習い事をしてる間にデートで行ってるらしい。
「はるちゃんおはよう!」
「おはよう瑠奈ちゃん」
考え事をしていたオレに話しかけてきたのは、隣の席の千原 瑠奈ちゃん。
とても明るくてよく話しかけてくれるいい子だ。
今世で初めての友達と言って差し支えないと思う。
オレは前世よりも15年遅く生まれているから、当然前世で見た覚えのある子はいない。
前世のクラスメイトだった彼らは今、高校生だ。
正直どんな子達なのかもわからないから怖気付いてこっちから話しかけるなんてできずに、自由帳にお絵描きしてたら話しかけてきたのが、この瑠奈ちゃんだ。
習い事(自分で言い出した)が多いオレは基本的に休日とかも遊べないけど、彼女はなんだかんだと構ってくれるし、ペアも組んでくれるのでオレとしてもありがたい。
あとオレほどじゃないけど顔もいいしな。
「はるちゃん、おかあさんにシールかってもらったの!すこしわけてあげる!」
「ありがとう、大切にするね」
小学生の子はなんだかシールの交換とかよくしてるイメージがあったけど、自分が当事者になるとはねぇ。
オレは別にシールに興味はないけど、せっかく友達がくれたモノなので自由帳に貼り付けて大切に使おうと思う。
自由帳なら自分の絵を練習した努力の軌跡だから、きっと自分から捨てることはないだろうしね。
そういえばオレにももう1人、友達ができた。
前の席の大桜寺 和眞くんという前の席の男の子で、お父さんにギターを習っているらしい。
男の子たちのムシキングのカードあれ持ってるとか伝説のポケモンでこれ持ってるとか、そういう自慢話大会みたいな普段の会話の中でギター出来ることを自慢げに話してたのだ。
遠巻きに聞いてただけのオレは最初は「ふーん」としか思ってなかった。
でも最近、いつも通ってる楽器教室に行ったら和眞くんがいた。
多分親御さんが本格的に習わせようとしたんだろう。
向こうから話しかけてきたので、喋ってみると案外彼も音楽が好きで練習もちゃんとしているようだった。
まだまだ拙いしオレには及ばないけど、他の同年代の子達と比べたら頭2つくらい抜けて上手いのだ。
それ以来、学校と楽器教室のどっちでも話しかけてくるようになったし、オレからも時々だが話しかけるようになった。
普通の小学生と比べたら圧倒的に交友関係が狭いけど、それでもこっちから話しかけないオレに友達ができたんだ。
本当にありがたい話だと思う。
………にしても和眞くん遅いな。
そう思ってたら和人くんより先に先生が入ってきて「今日は和眞くんはお休みです」と言った。
風邪か何かだろうか、少し心配だけどまぁ大丈夫でしょ。
※和眞遅れ気味のインフルエンザで1週間お休みでした。
これから幼馴染になるキャラたちです(多分)