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プロローグ


 彼はただ、星を見ていただけだった。


 大学の観測室。夜空に瞬く恒星を一つずつ追い、データを記録する。誰に強制されたわけでもない。彼自身の好奇心と執着が、望遠鏡の向こうに無限の宇宙を見ていた。


 ある日、地上に届くはずのない波長が観測された。それは物理法則を逸脱した存在。まるで、星そのものがこちらを見返しているような、不気味な“返答”だった。


 次の瞬間、世界が反転した。

 重力が消え、時間が歪み、視界が塗り潰される。


 ──そして彼は目を覚ました。


 そこは、銀河の果ての惑星。帝国に支配された辺境の地。

 だが彼がいたのは、宇宙船の中だった。


 《コマンダー、起動確認。あなたの転送は成功しました》


 その艦──《アストラ・ヴェール》は、彼がゲームで愛用していた“最強の戦艦”だった。

 現実には存在しないはずのAIが彼を“コマンダー”と呼び、現実の星々を翔ける力を彼に与えていた。


 だがこの世界には、魔力という神秘と、貴族という階級が支配していた。

 そしてその艦は、この世界では“兵器”でも“遺物”でもない──“脅威”として認識される。


 銀河帝国。魔力惑星。君主制。階級闘争。

 異世界の宇宙に放り込まれた彼は、やがてひとつの選択を迫られる。


 ──この艦と共に、何を守り、誰に従うか。


 これは、選ばれたわけではない男が、自らの意志で“名を刻む”までの物語。




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統治ではなくて支配なんだ
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