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第五話 二人目の生まれ変わり


「え、えぇ!?何アレ・・・剣を持った鳥と・・・転校生の・・・黄咲さん・・・?」


戌亥は驚いて後ろをみる。そこに立っていたのは、私立寮優高校生徒会会長、姫夜麻橙花の姿があった。


 姫夜麻橙花は校内で最も有名な生徒であろう。生徒会長と言う役職に付き、全校生徒の模範たる存在である。成績は当然の如く学年一位。親は大手電子会社、「姫早妃電気」の社長。つまりは社長令嬢である。その見目麗しい外見も伴って男子生徒のみならず女子生徒からも人気が高く、教師陣からも信頼が厚い。眉目秀麗、才色兼備、文武両道を兼ね備えた完璧超人である。


「え・・・え!?何で!?何でここに生徒会長がいるの!?」


 戌亥は驚いていた。それもそうであろう。先程から(屋上にいた時)この校庭に降りてくるまでの間に、校舎を駆け下り、中庭を横切って来たのだがその間一切他の人を見なかったのだ。クラスや中庭で弁当を食べてる人もいなければ廊下にも人がいなかった。だからこの空間内には自分とアンナしかいない。そう思っていた。なのだから突然背後で声がして驚いたのだ。だがそれは橙花も同じだったようで、呆然と立ち尽くしていた。だが、やっとのことで声を出した。


「え、あ、あぁ。君は確か、2年1組の戌亥涼介君・・・だよね?私は、昼休みだからクラスで弁当を食べていたんだ。そうしたら不思議な感覚が体を襲ってな。何かと思って空を見たら赤くなってるではないか。それにさっきまでクラスにいた級友達もいなくなってるし、人の声が全くしなくなってな。それで、学校中を歩いていたら校庭から金属と金属がぶつかる様な音が聞こえてきたんだ。だからここに来てみたら君達がいた。と、いうことなんだが・・・」


 困惑しながらも、先程から戦っているアンナと悪魔を見ながら説明してくれた。その時、悪魔をしっかりと見た時。突如として橙花は胸を抑え倒れかかった。慌てて戌亥が止めると、顔色がやや悪くなっていた。


「会長!?大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ。大丈夫だ。何でだろうな・・・あの鳥を見た時、私の中で何かがざわめいたんだ。こんなこと、今までなかったんだが・・・」


 その時、二人のすぐ側までアンナが地面を滑る様に飛ばされてきた。それは悪魔の剣が、受けた旗ごとアンナを押し飛ばしたのだ。旗を杖の様にして立上がるアンナは戌亥の腕の中にいる橙花を見て驚いた。


「え、あれ?えっと、戌亥君。この人確か、生徒会長さんだよね?なんでここにいるの?」


 当然であるアンナの疑問に戌亥が答えようとした時、こちらを見ていた悪魔が歓喜の声を上げた。


「おぉ!おぉ!これはこれは。まさか《オルレアンの聖処女》に加えて《唐の傾国妃》まで現れるとはな!しかも覚醒前とは!丁度良い!まとめてその命と能力を貰うとしよう!」


 その言葉を聞いて戌亥とアンナは驚いて橙花を見る。困惑する橙花を他所に戌亥が喋り出す。


「お、おい。今あいつ何て言った?《唐の傾国妃》だって?それってまさか・・・」

「えぇ。その様ね。この人・・・生徒会長さんは私達の仲間。おそらくは『中国四大美人』の一人であり、『傾国の美女』と呼ばれた玄宗皇帝の寵妃。『楊貴妃』の生まれ変わりよ!」


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