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第十七話 悪魔の始まり

こうして、様々な波乱があった体育祭は終わり、休日を挟んで登校日。特筆すべきことはなく、平和に1日が終わり、放課後となった。歴史研究部の部室にはこれまた4人が集まっていた。窓際には橙花。その前の机3つに戌亥、アンナ、響子が座っていた。


「・・・・・・なぁ、何でお前そんなしれっと1番良い席座ってんだ?普通、そこは顧問の席じゃねぇの?」


至極当然な質問だったが橙花はそっぽを向いて無視した。そんな始まりから10分。話題は全員の特性についてに変わっていた。始まりは橙花の一言からだった。


「さて、と。朱子崎先生の特性も判明した事だし、一旦ここで全員の特性をおさらいしておこうか?」

「そいつは良いな。正直、どんな能力なのかいまいち把握できていないのと、お前ら二人のを知っておきたい」

「じゃあ、まずは私からですかね?私の特性は『信託の乙女』《オルレアン》。能力は未来の先読み。簡単に言うと、未来視です」

「なるほどな。だからお前、あの時毒液の発射タイミングと位置がわかったわけか」

「はい。ただ・・・少し疑問点があるんですよね」

「「「疑問点?」」」

「はい。私の特性は最初はそこまで強くなかったんです。先読みできても精々が3秒でした。なのに今は10秒までなら見れるんです。それに、身体能力の恩恵も今ほど強くはなかったんです」

「それはあれではないか?アンナ君の体の成長に伴って特性も成長した、とか」

「うー?・・・そうなんでしょうか・・・?・・・まぁ、今わからないことを悩んでも仕方ないですね。次、橙花先輩お願いします」

「ん、あぁ了解した。私の特性は『傾城傾国』《国墜とし》だ。能力は魅了と言う名の洗脳だ。発動条件は相手が私の目を見るか、私が相手の目を見るか。最近わかったんだが、相手が私の目を見た方がかかる魅了の強さが強いらしい」

「途中で悪魔が仲間達に向かって行ったのはそう言う訳か・・・・・・んじゃ、最後はアタシだな?まぁ、この前話したばっかだからあれだが、アタシの特性は『棘源凶蘭華』《サングイス・ラングスイル》だ。能力は触れた相手を拘束して斬り刻む能力だ。ちなみに、斬り刻むとは言うがそのレベルは結構幅広いらしい。詳細は、一応黙秘しておく」


体育祭に続いて血の気が引いていく。斬り刻むのレベルがいじれると言うことはかなり拷問的なことができるのでは。と、3人同時に考えていたのだった。空気が少し気まずくなるが、そんな事は気にしない響子が口を開いた。


「そういや、お前はどうなんだ?戌亥。あの空間にいれて何もありませんってことはないだろう」

「それなんだよなぁ・・・俺、特にこれといった自覚がなくてねぇ。姫夜麻先輩みたいに昔からずっと持ってた物もないですし・・・」

「うーん・・・わからん!まぁそのうち何かわかる事に期待しよう!」


そんなこんなで特性に関する話し合いは終わったのだった。そして、ここからが地獄の始まりだった。きっかけは響子の何気ない一言だった。


「あ、そう言やもうすぐ期末だがお前ら・・・ま、姫夜麻は大丈夫として、そこ二人。下手な点数取んなよ?」


睨みを効かせて圧をかけてきた。二人してそっぽを向いた。橙花は笑った。腹を抱えて。響子は唸った。頭を抱えて。こうして、二人の勉強会が決定したのだった。

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