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~breaking my memories~
男は懐から先が鋭く短い杖を取りだした。
そして、秋に振りかぶった。
秋はそばにあった分厚い本で男の攻撃を防御して、
一旦、男から距離を取ったもの、
男は距離を詰めようとした。
「うおおぉおおおぉ!!!」
将臣は勇気を振り絞り、男にタックルをした。
男は不意の攻撃により対処できず、
飛ばされて地に叩きつけられた。
「痛てぇな!お前もその女の仲間か!
こうなったら奥の手だ!その女を守ってみろ!」
と男は怒鳴り、秋に杖を向けた。
───── 一瞬の出来事だった。
男が杖を振った途端、杖先が伸び秋の下腹を貫いた。
「秋…さん…?」
将臣はその一瞬の出来事を防ぐことが出来ず、
秋を守ることが出来なかった。
将臣は秋の方に駆け寄り必死に名前を呼ぶが…
だんだん視界に黒っぽい赤色の絨毯が広がっていく。
大切な人を失う悲劇から将臣は大きな頭痛に襲われ
視界がだんだんボヤけ始め、意識を失った。