特殊ラノベ!(59)『ごっくん、ごっくん、ごっくんちょ!~シズル感のまにまに~』
「おしゃれ」と「ジュース」をテーマにしたラノベです。よろしくお願いいたします。(筆者)
疲れて、帰ってきたとき。欲しくなるのは、アルコールでもなく、炭酸飲料でもなく、いや、炭酸飲料なのだが、微妙な炭酸飲料の王様・微炭酸の王様(女王様)・ファンタ。ファンザじゃないよ、ファンタだよ。間違えないように、ね。
そのファンタをジョッキとグラスを用意し、そのまま注ぐ。ただ、ゆっくりと、まずは、ゆっくりと、ファンザなファンタな感じで注ぐ。どんな感じだよ。ダハハハハ。なんて、笑顔がこぼれるくらい美味しそうだ。
そして、グラスに少量のファンタが注げたら、一旦、待機する。少しの静寂が訪れる。そして、ファンタをもう一度、グラスに注ぐ。美味そうだ。この時点で美味そうだ。そうして、静寂と注ぎを何回も何度も繰り返して、ファンタのおかげでグラスがクーリッシュにキンキンに冷えたら、完成だ。
しかし、あと、ひとつ。残っている。飲むのは、まだ早い。同時に飲まなきゃ、テレビじゃない。楽しくなければ、テレビじゃない、じゃん。そうじゃん。基本理念としてあるじゃん。そういうことじゃん。
はい、というわけでして。
グラスに注ぎ終えたら、しばし、静寂を。静寂の余韻を楽しむのも粋で乙な美学だ。
そして、次は、ジョッキに注ぐ。もちろん、ファンタを、だ。ジョッキには、先程のグラスの時と違い、一気に豪快にファンタを注ぐ。それも、ジャンボサイズのペットボトルで。「グアアア!!」と、注ぐ音が擬音で聞こえてくる。擬音が、オノマトペになる。こうして、ジョッキに注げたら、ジョッキとグラスを何もない静寂な机の上に置く。
静寂の余韻をしばし楽しむ。
こうして、比較してみる。グラスとジョッキにシズル感は、あるか?どちらがシズル感の中で最強か?比較してみるのだ。まるで脳内価格ドットコムだ。脳内食べログかもしれないし、脳内もぐナビかもしれない。それぞれの思い思いの比較があるだろう。比較サイトがあるだろう。いや、紙も負けてはいない。脳内東京カレンダーとか脳内ホットペッパーとかグルメな書籍・雑誌・フリーペーパーは存在する。屈強な脳内食事メディアの世界。
そして、グラスのファンタを一番最初に冷えている奴で、飲む。
「ごっくん、ごっくん、ごっくんちょ!」
うん、プレミアム。MUTEKIだ。
次にジョッキのファンタを一気に冷えている内に飲み干す。
「ぐびっ、ぐびっ、ぐびっ。」
「ぷは~~~~~~~!!!」
最高に美味しい。一瞬、さいこうにおいしい。と、ひらがな表記に間違える程に美味しい。
こうして、シティポップな夜は更けていく。
スッカスカのグラスとジョッキと一緒に。
「シティポップな夜は、おしゃれだ。」
(了)




